恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 やはり、エミールはイーディスには何も伝えていなかったようで、彼女は驚いてはいたけど、私が心を込めて謝罪をすれば手を握って慰めてくれた。

「思ってもみなかったから驚いてしまったけれど、神殿の勘違いでそうなってしまったのなら、貴女が悪いわけではないわ。それに、私への厚い友情を感じて、責められてしまったエミールには悪いけれど、嬉しくなってしまったもの」

 確かに彼女の言う通りに親友イーディスでなければ、あの時エミールに意見していたかというとわからない。

 私にとって彼女は失い難い、大切な友人だからだ。

 いつか必ず不幸になるとわかっている相手ならば、どうにか遠ざけたいと思ってしまうほどに。

「そうなの……けれど、勘違いでよかったわ。実は……勘違いしてエミールを責めている間、彼の好感度は下がり続けて、最終的には一桁になってしまったのよ。とんでもない女だと思われてしまったわね。きっと」

 昨夜、イーディスと同様にエミールにも謝罪の手紙をすぐに書いたけれど、まだ返信はない。貴族の朝は遅いので、今は手紙を開いて読んでくれている程度の時間だろう。

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