恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「あら。貴女の頭の上に、浮かんでいる数字は『100』よ。イーディス。これは最高値らしいわ。まあ……貴女は現在、付き合ったばかりの恋人と熱愛中ですものね。お熱いことだわ」

 実はイーディスはついこの前に出会ったルピノ伯爵令息エミールと、真剣交際中なのだ。

 お互いにとって初めての恋人なので、ぎこちなくも初々しい可愛らしい二人だ。

 自分の期待通りだった『恋愛指数』の結果を聞いて、イーディスは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 イーディスの場合、付き合っているエミールの方から、見ていて恥ずかしいくらいに熱心に口説いて来ていたので、当初はあまりその気になれなかったらしい。

 けれど、今ではエミールの努力が実り、彼女も彼のことが好きになり、見事に両想いのよう。

 いやよいやよも好きのうちとは言うけれど、あれほど迷惑だと言っていたのに、押されて押されて気がついたら好きになっていたらしい。

 人の気持ちなんて、わからないものだわ。

 幸せそうな二人は羨ましいけれど、私からするとどこか遠い場所の出来事のように思える。

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