恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私はいつものように素っ気ない態度ながらも、義務はちゃんと果たしてくれる婚約者の傍で機嫌良く微笑んで頷いた。

「そうか……」

 レンブラント様は眉を寄せてふいっと顔を背けたけれど、彼の頭上には最高値の好感度『100』がふよふよと浮かんでいる。

 こうして私に冷たい態度を取っていたとしても、私の事を好きでいてくれるなら、特に問題はないだろうと思えた。

 ……もうすぐレンブラント様にすべてを告白をしなければならないと思えば、どうしても緊張してしまう。

 けれど、それをしなければ、私たちは関係を進めることが出来ないと思う。

 私が父兄に愛しているからと誰かから暑苦しく接されることが本当に嫌で、冷たい態度を取っていたレンブラント様に好意を持ってしまっていた事。

 それに、能力(ギフト)の勘違いにより、私はレンブラント様の事が誰にも取られたくないくらいに好きだと気がついたと言うこと。

「リディア……母上に、挨拶をして来るよ」

 レンブラント様が立ち上がりながらそう言ったので、私は頷いてお茶を飲んだ。

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