恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 けれど、そう言う気持ちが理屈では説明出来ない事だって今は知っている。

 つまり、私は彼女にはあまり好かれてはいないし、この先何があったとしても好かれる事はない。

 立場的なものは仕方がないと知っているので、そこを我慢出来ない彼女が悪いとは言い切れない。

 私だって同じような立場ならば、そうしてしまうかもしれないからだ。

「あら……相変わらず、レンブラント様とあまり仲が良くないのではないかしら?」

「いいえ。そのような事実は、全くございませんわ」

 私はお茶を飲みながら、落ち着いて答えた。けれど、そんな態度が気に食わなかったのかもしれない。

 いいえ。きっと……何を言っても何をしても、気に食わないのだろうけれど。

「ですが、貴女は殿下に一定の距離を取り、二人の関係があまり上手く行っているようには思えないのですが」

 ナターシャ様の目にはそう映っていても、私側にだって言い分はある。

 レンブラント様は私に対し最高に好意を持ってくれているし、きっと彼の冷たく見えるような態度にも何か理由はあるのだろうと今なら思える。

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