恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 このままでは、最悪の場合……ジャイルズ公爵家と我がダヴェンポート侯爵家との領地戦へと突入するかもしれない。

 私の父兄だって、ダヴェンポート侯爵家が貴族たちの前で侮辱されたと知れば、謝罪を求めるかそれが拒否されれば報復せざるを得ない。

 もし、ジャイルズ公爵家から領地戦が宣言されれば、君主たる王家不介入のルールがありレンブラント様だって口出し出来なくなるだろう。

 そうならないように上手く立ち回るべきだったのに、私はナターシャ様の矢継ぎ早な言葉を止めることは出来なかった。

 その直前に、レンブラント様の気持ちを知って浮かれていたと言われれば、それは否定できない。

 いつもの冷静な私であれば、もっと上手くあの事態を避ける事が出来ただろう。

 いけない……どうしよう。お父様とお兄様に、すぐに相談しなければ……。

「リディア。私はダヴェンポート侯爵とお兄様に、早くこの事態を伝えるべきだと思うわ。今は城中に居らっしゃるのかしら? レンブラント殿下には戻られたら、何があったか私が説明しておくから……」

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