恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 事は一刻を争うから対処するのは早い方が良いと、イーディスは険しい表情を浮かべて言った。

 レンブラント様は王妃様たちと王族で話をしているだろうし、そこに私の事情で割って入る訳にはいかない。

 レンブラント様はお許しになっても、他の王族は許さないだろう。

 領地戦は領主同士の争いだから、王家は不介入が原則。それに、戦いの準備ならば早いに越した事はない。

 けれど、ナターシャ様の方からああして宣戦布告をしたと言うことは、ジャイルズ公爵家はすべての準備を済ませている可能性だってある。

 これまで、冷めた態度で不仲のように見えたレンブラント様と私……ナターシャ様だって『これならば自分にもつけ入る隙がある』と思われてしまっても仕方がないわ。

「ええ。とにかく、父と兄の元へ向かうわ」

 私はとにかくここは早く行かなければと思い、座っていた席を立った。

「慌てないで。リディア」

 真面目な表情を浮かべイーディスはそう言ったので、私はこくんと頷いて城の中へと向かった。

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