恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「殿下がリディアが気に入らないというのならば、もっと早くに王族側から婚約者の交代が言い渡されているはずだろう。それがこれまでにないと言うことであれば、レンブラント殿下はリディアとこのまま結婚する意志があると言うことだ。ジャイルズ公爵令嬢が何を言おうと、それは変わらない」

「ええ。それは確かに、そうですが……」

 私が一番に心配している事は、公衆の面前でダヴェンポート侯爵家の顔に泥を塗られてしまったと言うことだ。

「リディアが心配していることは、わかっている……しかし、ジャイルズ公爵は少し前にお話したところ、とても好意的だったし、もしこれを知っているのであれば、それなりの態度だっただろう。リディアを待っている間に使用人にも話を聞いたところ、ナターシャ様が独断でした事だ。領地戦といった、最悪の事態にはならないはずだ」

「そうなのですね。お父様……」

 私が心配した想像通りの事は起こり得ないと聞いて、ほっと胸を撫で下ろした。

 良かったわ。領地戦になればどうしても戦闘員以外にも被害を出してしまうし、ジャイルズ公爵家は騎士団を数多く擁すると聞いていたから。

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