恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私が期待通りの反応では、なかったから……?

「ダヴェンポート侯爵令嬢。私は貴方がレンブラント様に相応しいとはとても思えないのです。幸いお二人はあまり上手くいっていない様子。婚約者をご辞退されるのならば、早い方がよろしいのでは?」

 敵意があることをもう隠すつもりはないと思ったのか、私のことを睨みつけたままでナターシャ様は言った。

「いいえ。ご心配には及びません。私たち二人は上手くいっています。お互いに好意を持っていて、両親に決められた婚約者ではあるのですが両思いなのです」

 私は毅然としてそう言ったので、ナターシャ様は変な表情になっていた。

 レンブラント様と私は一定の距離を保ち周囲からあまり上手くいっていない婚約者のように見えていたかもしれないけれど、お互いに思い合っているという事実が理解出来ないのだろう。

「もし、それが真実だとしたら、何故レンブラント様はあんなに冷たい態度を? とても貴女に対して好意的だとは思えないわ」

 こうして聞くとナターシャ様の言い分は、もっともなのかもしれない。

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