恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 レンブラント様の冷たい態度を私が喜んでいたのは事実だけど、周囲から見ればそう思っていたはずだった。

「……けれど、レンブラント様は私を好きでいてくださいますし、私だってそうなのです」

 それは、キッパリと言い切ることが出来た。頭の上の数字で一目瞭然なのだ。

「ですから、その言い分には何の根拠があるのです。常によそよそしい二人を見てもとてもそうは思えないと、私は言っているのですが」

 私は決着点の見えない押し問答が、何だかもう嫌になって来てしまっていた。優雅な貴族令嬢らしく居たいけれど、ナターシャ様が真正面から喧嘩を売ってくるのなら私だって対応せざるを得ない。

 だから、もうこれを言ってしまおうと思った。

「いえ。ナターシャ様。私には自分の好感度を見る能力(ギフト)を持っているのです。それは、神殿に問い合わせて頂いても結構です」

「自分への好感度が見える……ですって?」

 私が言い出した事実が彼女にとっては思いもよらぬことだったのか、ナターシャ様は呆然としていた。

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