愛しい君へ

そして、待ちに待った土曜日。
久しぶりのお出掛けに張り切ってお洒落をした。

すると、匡からLINEが入り「下に車停めて待ってるから!」と書いてあった。

わたしは「わかったよー!」と返信すると、鏡を見て最終確認をし、家を出て鍵をかけた。

階段で1階まで駆け下りると、マンションの正面玄関前に白い車が停まっていた。
匡の車だ。わたしは車に詳しくないので分からないが、匡曰く、そこそこ良い車らしい。

わたしは助手席のドアを開けると、「おはよう!」と言い、助手席に乗り込んだ。

「おぉ〜、おはよう!随分と今日は可愛いなぁ!」

わたしの服装と化粧姿を見て、匡は言った。

「ん?"今日は"?」
「あー、今日も!可愛いです!」

匡はそう言い直すと、「さぁ、行きますか!」と車を発進させた。

「場所どのへん?」
「うちの会社の近くなんだよねぇ。こないだ、帰りに見つけたんだぁ。」
「じゃあ、そっち方面向えばいいな!」

匡の車は乗り心地が良く、"そこそこ良い車"と言うのも分かる気がした。

わたしは窓の外の流れる景色を眺めながら、ワクワクしていた。
車内には、匡が好きでよく聴いている清水◯太の「花束のかわり◯メロディーを」が流れていた。

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