死亡フラグ立ち済悪役令嬢ですけど、ここから助かる方法を教えて欲しい。
 騎士団長である彼は、途中寄った屯所に居た物々しい装いの部下たちを引き連れていた。

 私だって、ここから何が起こるかわからずにドキドキするばかりだ。

「誤解だと? 証拠は全て揃っているんだ。それに、ヴィクトリアだって……」

 私が犯人であると見せかけるために用意された証拠なので、今まで話したことも会った事もない面々に、ミゼル殺害を依頼したことになっている。

 生き証人だって居たけれど、彼はもう殺されてしまっていた。

「こちらのエインズワース公爵令嬢ヴィクトリア様は、悪い誰かから呪われているようでして、貴方たち二人の事に対し口にすることが出来ないのです。つまり、冤罪についても喋ることが出来ず、釈明なども出来なかったので、誰もに誤解されてしまうことも仕方ないかと……」

 予想外のことが起こったので気に入らない様子のチャールズの言葉を遮って、ナザイレは流れるような口上で説明をした。

「……喋れなかった?」

 ぽかんとした表情のチャールズの隣に居たミゼルは、うるっと目を潤ませてわかりやすく彼に寄り添った。

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