死亡フラグ立ち済悪役令嬢ですけど、ここから助かる方法を教えて欲しい。
「なっ……なんですって!」

 今まで余裕の表情だったミゼルは、慌てて立ち上がった。

「落ち着け。ミゼル。そのような言いがかりのようなよく分からぬ容疑、すぐに晴れる。終わったら、直々に迎えに行こう」

 チャールズは私がナザイレと共に居て、彼らが調査すると言うならば従うべきと判断したのか、ミゼルに宥めるように言った。

「やっ……止めて……チャールズ様ぁ……私、何もしてないんです! 地下牢なんて、行きたくないー!!」

 騎士たちに取り囲まれ、絶望の表情でみっともない程に泣き喚くミゼルを見て、私はほっと息をついた。良かった。彼女が私に何かをしている事がわかれば、全ての容疑は晴れて失った名誉も取り戻せるかもしれない。

「……チャールズ殿下。お気分は、どうですか?」

「気分? 気分……? いや、何だろう。変な気分だ」

 チャールズはナザイレの問いに不思議そうな表情を浮かべ、頭を押さえていた。

「あの女からは、甘ったるい匂いがしました。あれが殿下を操っていたかもしれません」

「……なんだと!? ああ、だが……なんだか、頭の中がスッキリするような……」

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