最高難易度攻略対象者の溺愛お約束ルートに変更希望です!~恋愛下手過ぎて手伝ってもらうことになった転生ヒロインですが、色々と大変で誰か助けて欲しい~
 ジョヴァンニはふむふむと相槌を打ち、話を聞き終わると、顎に手を当てて少々悩んでいるようだ。

「……レオは、おそらく君のことが、好きなのではないかな?」

 唐突に彼が発した言葉を聞いて、私は驚いた。

「そっ! そんな! そんな事はありません。だって、レオナルド先輩は私に恋愛指導してくれているんですよ!?」

 それは絶対にあり得ないと、私は何度も首を横に振った。

「だって、どうでも良い女の子に、そんなことをするだろうか。時間を使って恋愛相談を受けている時点で、レオ側にそれなりに好意があるという証拠ではないかな?」

 ジョヴァンニに冷静に問われて、私も落ち着いて考えた。

「レオナルド先輩が……私に、好意がある、ですか?」

 それっぽい事は、言われたことはない。いつも、ジョヴァンニに近づけるように応援してくれているだけだった。

 ……とはいえ、レオナルドルートだって存在している訳だから、ヒロインリンゼイが、完全に恋愛対象外であるとは言えない。

 なんと言っても転生したと気がついた時、鏡を見てびっくりしてしまうくらい、リンゼイは可憐で可愛らしい容姿なのだ。

 ピンク髪に水色の瞳。出るべき箇所は出て、きゅっとくびれたお腹、均整の取れたスタイル。

 乙女の夢を過重量ほど積載した、乙女ゲーム『ここたた』なので、ヒロインリンゼイの外見が可愛いことは、当然のことではあるのかもしれない。

 中身はモテなかった記憶しかない現代成人女性であるとしても。


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