最高難易度攻略対象者の溺愛お約束ルートに変更希望です!~恋愛下手過ぎて手伝ってもらうことになった転生ヒロインですが、色々と大変で誰か助けて欲しい~
「よろしくね。リンゼイ。僕はジョヴァンニで良いよ。学生の間は身分差なく過ごすというように、この学園では決められているからね」

「ジョヴァンニ、殿下……?」

 建前は建前ではなるけれど、本人にそうしてくれと言われれば仕方ない。

 彼が王族であるならこう呼ぶべきかと思ったら、ジョヴァンニは苦笑して首を横に振った。

「それは、やめてくれ。先輩で良いよ。レオにだって、そうだろう」

「ジョヴァンニ先輩、ですか」

 王子様に先輩……なんだか、変な感じだ。学園内では先輩後輩で、それは間違えてはいないんだけど……。

「それで良い。リンゼイ・アシュトン……平民だけれど、聖魔力が認められて、特例で奨学生になった子だね……レオはフォンタナ公爵家の跡取り息子だけど、君ならば問題なく結婚を認められる可能性があるね」

「それは……あの」

 もちろん。前世の記憶を持つ私は王家の血を引いているので、彼らとの身分差の問題はいずれ明らかになるし、大丈夫だろうと思っている。

 このジョヴァンニだって、言ってしまえば遠い親戚にあたるのだ。

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