最高難易度攻略対象者の溺愛お約束ルートに変更希望です!~恋愛下手過ぎて手伝ってもらうことになった転生ヒロインですが、色々と大変で誰か助けて欲しい~
「ああ。ジョヴァンニの婚約者であろうが、マリアローゼは現段階では公爵令嬢。俺も同じ身分で、公爵家の者だ。愚行を止めろと意見をしたからと、何か問題でも?」

 二人はじっと睨み合い、マリアローゼはふんっと鼻息荒く何も言わずに去って行った。

 レオナルドは他の誰かのように、言い負かすことは出来ないと思ったのかもしれない。

 取り巻きを引き連れて去っていくマリアローゼの背中を見て、私は安堵の息を吐いた。

 まだ、ジョヴァンニと本当に恋仲ならば、彼女から言われても仕方ないと思う。けれど、本当に本当に誤解なので早く解いてしまいたい。

 そうすれば、婚約者を取ろうとしていた事実はなく、嫉妬深い彼女にだって安心してもらえることだろう。

「……悪い。レオ。来てくれて助かった。僕が何か言うとマリアローゼを、より逆上させてしまっただろうから」

「別に構わない。俺は急ぐから、もう行く」

 素っ気なく短く言って、レオナルドは私たちの前から、あっさりと立ち去ってしまった。

 背の高い背中は、振り向きもせずに去っていく。

< 46 / 66 >

この作品をシェア

pagetop