最高難易度攻略対象者の溺愛お約束ルートに変更希望です!~恋愛下手過ぎて手伝ってもらうことになった転生ヒロインですが、色々と大変で誰か助けて欲しい~

08 必要ない

「わーーーーーっ!! すごいっ……可愛いドレス」

 私は大きな鏡に映った自分を見て、純粋にそう思った。

 可愛らしい金色のドレスは、シフォンを重ねてふわふわで、乙女ゲームヒロインリンゼイの可愛いピンク髪に良く似合っている。

 これなら、レオナルドがいくら誤解をしていても、許してくれるかもしれない。ええ。そこには私自身の願望も含まれていることは認めます。中身はポンコツだとしても、かわいいは正義。

「良く似合っているね。リンゼイ」

 正装したジョヴァンニが私の支度が出来たと聞いたのか、扉から顔を覗かせていた。

 ここは、ジョヴァンニの住む城の一室だ。

 私は今学園の寮住まいだし、実家は平民としては割と立派な方だけど、手狭でこんな裾の拡がったドレスを着て移動することが出来ない。

 だから、特別にドレスを着て夜会に行くための支度をするための一室を借りてくれて、着付けのためのメイドまで付けてくれた。

 しかも、これを私が何も言わずとも先んじて用意してくれているところが、何もかもわかってくれる王子様過ぎて……本当にジョヴァンニって、完璧な王子様。

 ……こういう人を好きになったら、自分でも説明のつかない気持ちなんかも何もかも察してくれて、すっごく楽なんだろうなって思う。

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