最高難易度攻略対象者の溺愛お約束ルートに変更希望です!~恋愛下手過ぎて手伝ってもらうことになった転生ヒロインですが、色々と大変で誰か助けて欲しい~
 私がレオナルドの事を好きになったのは、彼と話すようになって割とすぐなんだけど、全く気がついてくれることはなく、ジョヴァンニにどう近づくかを相談するばかりだった。

「ジョヴァンニ先輩、ありがとうございます……あ。殿下です。申し訳ありません」

 ここは建前でも身分はないと公言している学園内でもなかったと、私は慌ててしまった。

「いやいや。先輩と呼ばれることが、こんなにも気分が良い物だとは知らなかったからね。僕が許しているんだからお好きに呼んでくれて良い」

「ありがとうございます」

 ジョヴァンニは微笑んでくれて、私はほっと息を吐いた。

 ジョヴァンニは優しくて、少々失敗してもすぐに許してくれる理想の王子様だ。

 なのに、私は怒ったら怖いところもある、レオナルドの事を考えている。

 人は条件だけで、恋をする訳ではない。なんだか、良くある綺麗事みたいだけど、情報源(ソース)は私。

「レオに贈り物を渡して手紙で気持ちを伝えれば、きっとうまく行くと思うよ」

 にこにこ微笑んで手を差し出したので、私は自然と自分の手を重ねた。

「そう思います?」

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