聖女のいない国に、祝福は訪れない
(まさか赤子はすでに、癒やしの力を使えると言うのか……!?)
あの柱を頼りに新たな聖女を探されたら、聖女を弔うことなくその死を隠蔽したことがバレてしまう。
(ぐぬぬ……。アーデンフォルカ帝国め……。我がムガルデン王国よりも豊かな地になることを、許してはならぬ……! 絶対にだ……!)
フェドクガの怒りに共鳴するかのように。
会場の近くにバリバリバリッと音を立て、雷撃が落ちた。
至るところで悲鳴が上がり、豪雨に見舞われたムガルデン王国は、停電の復旧目処すらも立たない状況まであっと言う間に追い込まれ――ニセラの誕生日会は、強制的に中止となってしまう。
「ニセラ。ちょっと来い!」
「な、なんですかぁ? や、ちょっと! 怖いですってぇ……!」
フェドクガはニセラへ声をかけると、彼女を会場から連れ出した。
一刻も早く、新たな聖女を炙り出さなければならないからだ。
あの柱を頼りに新たな聖女を探されたら、聖女を弔うことなくその死を隠蔽したことがバレてしまう。
(ぐぬぬ……。アーデンフォルカ帝国め……。我がムガルデン王国よりも豊かな地になることを、許してはならぬ……! 絶対にだ……!)
フェドクガの怒りに共鳴するかのように。
会場の近くにバリバリバリッと音を立て、雷撃が落ちた。
至るところで悲鳴が上がり、豪雨に見舞われたムガルデン王国は、停電の復旧目処すらも立たない状況まであっと言う間に追い込まれ――ニセラの誕生日会は、強制的に中止となってしまう。
「ニセラ。ちょっと来い!」
「な、なんですかぁ? や、ちょっと! 怖いですってぇ……!」
フェドクガはニセラへ声をかけると、彼女を会場から連れ出した。
一刻も早く、新たな聖女を炙り出さなければならないからだ。