聖女のいない国に、祝福は訪れない
偽聖女の嘘(ニセラ)
(殿下はすぐ懐柔できたのに。どうしてセドリックは、私が偽物だってすぐにわかったんだろ?)
アーデンフォルカ帝国からムガルデン王国に戻ったニセラは、モヤモヤとした気持ちを解消するために難しい顔で思案する。
(こーんなにかわいいニセラが顔を近づけても、唇へ噛み付かないなんて!)
自身の美貌に絶対的な自信を持つ彼女は、彼の反応が不思議で仕方がない。
(セドリックって、男色なのかなぁ?)
あらぬ疑いを掛けた彼女は、自らが聖女として暮らすようになった日々を回想する。
(まぁいいや。アーデンフォルカ帝国の武力は、ぜひ手中に納めたかったけど……。ミイラ取りがミイラになっても困るもん)
彼を無理に手に入れなくても、聖女に成り代わることでムガルデン王国に王手を掛けている。
ニセラはフェドクガで我慢することにした。
(さてと。お祭り騒ぎの始まりだよ!)
わがままで暴力的な皇太子の怒りを鎮め、思い通りに盤面を動かすのは骨が折れるが――ここが腕の見せどころだと張り切った彼女は、お気に入りの顔面偏差値が高い騎士達とともにある人物へと戦いを挑む。
アーデンフォルカ帝国からムガルデン王国に戻ったニセラは、モヤモヤとした気持ちを解消するために難しい顔で思案する。
(こーんなにかわいいニセラが顔を近づけても、唇へ噛み付かないなんて!)
自身の美貌に絶対的な自信を持つ彼女は、彼の反応が不思議で仕方がない。
(セドリックって、男色なのかなぁ?)
あらぬ疑いを掛けた彼女は、自らが聖女として暮らすようになった日々を回想する。
(まぁいいや。アーデンフォルカ帝国の武力は、ぜひ手中に納めたかったけど……。ミイラ取りがミイラになっても困るもん)
彼を無理に手に入れなくても、聖女に成り代わることでムガルデン王国に王手を掛けている。
ニセラはフェドクガで我慢することにした。
(さてと。お祭り騒ぎの始まりだよ!)
わがままで暴力的な皇太子の怒りを鎮め、思い通りに盤面を動かすのは骨が折れるが――ここが腕の見せどころだと張り切った彼女は、お気に入りの顔面偏差値が高い騎士達とともにある人物へと戦いを挑む。