聖女のいない国に、祝福は訪れない
「俺は君が望むのであれば、どんなことでもしてみせよう」
フリジアは胸の奥底に押し留めていた感情を、どうやって言葉にすればいいのかと悩む。
(陛下は嘘をつかない……。私が彼らの命を奪ってほしいと望めば、きっとその通りにくださる……)
彼女の決断が、彼らの今後を決めるのだ。
フリジアはいくら自身を傷つけた相手であったとしても、フレデリックの手で葬ってほしいと願うことはできなかった。
「命を奪うことは……望みません……」
「他には?」
「……私がされたことと、同じ体験をしてほしいです……」
「それだけか」
「……セドリック様だけに、お任せしたくありません」
セドリックは自身が望む答えを彼女から引き出そうとしているのかもしれない。
何度も言葉を止めようとするフリジアに促して来たが、ついに反応が返って来なくなった。
(彼は私の前で、剣を振る姿を見られたくないのかもしれない……)
ならばこのあとに彼女が呟く言葉は、彼にとって許せない言葉だろう。
フリジアは唇を噛み締めたあと、覚悟を決めて懇願する。
フリジアは胸の奥底に押し留めていた感情を、どうやって言葉にすればいいのかと悩む。
(陛下は嘘をつかない……。私が彼らの命を奪ってほしいと望めば、きっとその通りにくださる……)
彼女の決断が、彼らの今後を決めるのだ。
フリジアはいくら自身を傷つけた相手であったとしても、フレデリックの手で葬ってほしいと願うことはできなかった。
「命を奪うことは……望みません……」
「他には?」
「……私がされたことと、同じ体験をしてほしいです……」
「それだけか」
「……セドリック様だけに、お任せしたくありません」
セドリックは自身が望む答えを彼女から引き出そうとしているのかもしれない。
何度も言葉を止めようとするフリジアに促して来たが、ついに反応が返って来なくなった。
(彼は私の前で、剣を振る姿を見られたくないのかもしれない……)
ならばこのあとに彼女が呟く言葉は、彼にとって許せない言葉だろう。
フリジアは唇を噛み締めたあと、覚悟を決めて懇願する。