聖女のいない国に、祝福は訪れない
すると右翼を高く上げた鳥が「わかった」と言うように返事をすれば、上空で行き場を失っていた鳥の群れはあっと言う間に散り散りになっていった。
「チュピリン!」
フリジアの頭部を嘴でツンツンと叩いた鳥は、「褒めて!」と彼女へ促すようにかわいらしい鳴き声を上げる。
(これは一体……。どうすれば……)
花畑には、数え切れないほどの鳥達が色とりどりのフリージアに埋もれるようにして羽根を休めている状況だ。
フリジアが「帰ってくれ」と命令すれば素直に言うことは聞いてくれそうだが、それでは彼らが突然大群で押し寄せた理由がわからない。
「おいで……」
彼女が頭上に向けて両手を差し出せば、よちよちと小さな足を動かして頭上に乗っていた鳥がフリジアの掌へ移動する。
すぐさま頭の上に別の個体が乗ってくるあたり、彼らは聖女と触れ合いたくて仕方ないようだ。
「チュピ~。チュピピ!」
掌に乗った鳥はフリジアへ何かを伝えたいらしく、ごきげんな様子で頬擦りしたあとに右翼を広げた。
「チュピリン!」
フリジアの頭部を嘴でツンツンと叩いた鳥は、「褒めて!」と彼女へ促すようにかわいらしい鳴き声を上げる。
(これは一体……。どうすれば……)
花畑には、数え切れないほどの鳥達が色とりどりのフリージアに埋もれるようにして羽根を休めている状況だ。
フリジアが「帰ってくれ」と命令すれば素直に言うことは聞いてくれそうだが、それでは彼らが突然大群で押し寄せた理由がわからない。
「おいで……」
彼女が頭上に向けて両手を差し出せば、よちよちと小さな足を動かして頭上に乗っていた鳥がフリジアの掌へ移動する。
すぐさま頭の上に別の個体が乗ってくるあたり、彼らは聖女と触れ合いたくて仕方ないようだ。
「チュピ~。チュピピ!」
掌に乗った鳥はフリジアへ何かを伝えたいらしく、ごきげんな様子で頬擦りしたあとに右翼を広げた。