聖女のいない国に、祝福は訪れない
「陛下……。あの、この子達は……」
「気にするな。君のせいではない」
「ですが……」
「セイントバードは、始まりにすぎない。これから次々に、リエルル公爵令嬢を求めてさまざまな動物達が移住してくるだろう」
「それは一体、どう言う……?」
「狐、ネズミ、猫、犬、狼……。聖女の根つく地に、獣達は集まる。民族の大移動だ」
中庭は足の踏み場もないほどに鳥の大群でいっぱいになっている。
これからさまざまな種族の動物達が前に移住してきたら、アーデンフォルカには人の住む場所がなくなってしまうかもしれない。
セドリックも、困惑や焦りの色が隠しきれないのは当然のように思えた。
「こうなることは予測していたが、あまりにも早すぎる。このペースでは準備が間に合わないかもしれんな」
「ピュールルゥ……」
フリジアは手のひらの上で視線を落として寂しそうな鳴き声を上げるセイントバードを見つめた。
「早く来たの、迷惑だったのかな?」そんな意味が込められているであろう仕草を見てしまえば、フリジアも彼らを叱りつけようと言う気にもならない。
「気にするな。君のせいではない」
「ですが……」
「セイントバードは、始まりにすぎない。これから次々に、リエルル公爵令嬢を求めてさまざまな動物達が移住してくるだろう」
「それは一体、どう言う……?」
「狐、ネズミ、猫、犬、狼……。聖女の根つく地に、獣達は集まる。民族の大移動だ」
中庭は足の踏み場もないほどに鳥の大群でいっぱいになっている。
これからさまざまな種族の動物達が前に移住してきたら、アーデンフォルカには人の住む場所がなくなってしまうかもしれない。
セドリックも、困惑や焦りの色が隠しきれないのは当然のように思えた。
「こうなることは予測していたが、あまりにも早すぎる。このペースでは準備が間に合わないかもしれんな」
「ピュールルゥ……」
フリジアは手のひらの上で視線を落として寂しそうな鳴き声を上げるセイントバードを見つめた。
「早く来たの、迷惑だったのかな?」そんな意味が込められているであろう仕草を見てしまえば、フリジアも彼らを叱りつけようと言う気にもならない。