聖女のいない国に、祝福は訪れない
(誕生日会だけならともかく……。故人を偲ぶ会がある……)
いくら聖女であったとしても、カラードレスを身に纏うのは非常識だろう。
フリジアはそう結論づけると、セドリックの命令に逆らい無難な色を身に纏うと決めた。
「セヌ。喪服の準備を」
「しかし、陛下は……」
「先代聖女の追悼式に、このような派手なドレスなど……。身に纏えません……」
「黒は神々が忌避するお色です。でしたら、聖女の正装として……」
「白は嫌いです」
白を貴重とした、ジャラジャラと金属製の華美な装飾がなされたワンピースを差し出されたフリジアは、それだけは絶対に嫌だと硬い口調で拒む。
「フリジア様……?」
普段自信がなさそうな言葉遣いをする彼女から、はっきりとした否定の言葉が紡がれるなど思いもしなかったのだろう。
セヌの瞳は驚きで見開かれていた。
(白だけは、絶対に嫌……)
神々が愛する色だと称してフェドクガに白以外を纏うことを許されなかったフリジアにとって、嫌なことを思い出すきっかけとなるものだ。
いくら聖女であったとしても、カラードレスを身に纏うのは非常識だろう。
フリジアはそう結論づけると、セドリックの命令に逆らい無難な色を身に纏うと決めた。
「セヌ。喪服の準備を」
「しかし、陛下は……」
「先代聖女の追悼式に、このような派手なドレスなど……。身に纏えません……」
「黒は神々が忌避するお色です。でしたら、聖女の正装として……」
「白は嫌いです」
白を貴重とした、ジャラジャラと金属製の華美な装飾がなされたワンピースを差し出されたフリジアは、それだけは絶対に嫌だと硬い口調で拒む。
「フリジア様……?」
普段自信がなさそうな言葉遣いをする彼女から、はっきりとした否定の言葉が紡がれるなど思いもしなかったのだろう。
セヌの瞳は驚きで見開かれていた。
(白だけは、絶対に嫌……)
神々が愛する色だと称してフェドクガに白以外を纏うことを許されなかったフリジアにとって、嫌なことを思い出すきっかけとなるものだ。