【完結】アシュリンと魔法の絵本
「えっ」
びっくりしたのかラルフの身体がぴたりと止まる。それから、ハッとしたように顔を上げて、頭を下げる。
「支えてくれてありがとうございました」
「いえいえ。もしかして、きみが『ラルフ・クラーク』かね?」
「はい、ぼくはラルフ・クラークですが……?」
どうして自分の名前を知っているのだろう、とアシュリンをちらりと見る。彼女はにんまりとした笑みを浮かべて、おじいちゃんに近付いてきた。
「メイソンおじいちゃん、久しぶり! ロッティおばあちゃんは元気?」
「ああ、元気だよ。手紙をもらってから、ずっとソワソワしていたよ」
手紙、とラルフが納得したようにつぶやく。おそらく、アシュリンが手紙に自分の名を書いていたのだろう、と。
「おいで、アシュリン」
アシュリンのおじいちゃん――メイソンは、彼女に向けて大きく腕を広げる。
それを見たアシュリンはぱぁっと表情を輝かせて、メイソンに抱きついた。
あまりにも自然に抱きついたものだから、ラルフは目を丸くしてその光景を見つめている。
「おじいちゃんだぁ!」
「うんうん、アシュリンのおじいちゃんだよ」
なんて、楽しそうに笑っているのを見て、ラルフは眉を下げて微笑んだ。
「うらやましいか?」
「よくわからない」
ぽそりとルプトゥムが問いかけてきたが、ラルフは両肩を上げて頭に左右に振る。
「とりあえず、アシュリンがあんなに無邪気な理由は、納得したけどね」
たくさん愛された子なのだろう、と心の中でつぶやいて、ラルフは微笑ましいその光景をずっと眺め続けていた。
びっくりしたのかラルフの身体がぴたりと止まる。それから、ハッとしたように顔を上げて、頭を下げる。
「支えてくれてありがとうございました」
「いえいえ。もしかして、きみが『ラルフ・クラーク』かね?」
「はい、ぼくはラルフ・クラークですが……?」
どうして自分の名前を知っているのだろう、とアシュリンをちらりと見る。彼女はにんまりとした笑みを浮かべて、おじいちゃんに近付いてきた。
「メイソンおじいちゃん、久しぶり! ロッティおばあちゃんは元気?」
「ああ、元気だよ。手紙をもらってから、ずっとソワソワしていたよ」
手紙、とラルフが納得したようにつぶやく。おそらく、アシュリンが手紙に自分の名を書いていたのだろう、と。
「おいで、アシュリン」
アシュリンのおじいちゃん――メイソンは、彼女に向けて大きく腕を広げる。
それを見たアシュリンはぱぁっと表情を輝かせて、メイソンに抱きついた。
あまりにも自然に抱きついたものだから、ラルフは目を丸くしてその光景を見つめている。
「おじいちゃんだぁ!」
「うんうん、アシュリンのおじいちゃんだよ」
なんて、楽しそうに笑っているのを見て、ラルフは眉を下げて微笑んだ。
「うらやましいか?」
「よくわからない」
ぽそりとルプトゥムが問いかけてきたが、ラルフは両肩を上げて頭に左右に振る。
「とりあえず、アシュリンがあんなに無邪気な理由は、納得したけどね」
たくさん愛された子なのだろう、と心の中でつぶやいて、ラルフは微笑ましいその光景をずっと眺め続けていた。