【完結】アシュリンと魔法の絵本
「アシュリンはラルフくんとの旅が楽しかったのねぇ」
「一人で旅をしていてもノワールと本が一緒だから、楽しかったけど……」
アシュリンは一度言葉を切って、ラルフの肩をぽんぽんと叩いた。
「ラルフとルプトゥムと一緒だと、もっと楽しかったの!」
ノワールとルプトゥム、それからアシュリンの本はボートには乗らずにぷかぷかと空を飛んでいた。ノワールががばっとアシュリンの顔に引っ付き、「むがっ」と彼女が苦しそうにノワールを引き離そうとする。
「……それじゃあ、一緒に行こうか。両親が家にいるかはわからないけれど」
「ん!」
べりっとノワールを引き離して、笑顔を見せるアシュリンに、ラルフが眉を下げた。
おそらく両親は今もいそがしく飛び回っているだろうから、アシュリンを紹介できる可能性は低い。
それでも、いつもお世話になっている人たちへは友だちとして紹介できるかもしれないと考え、ラルフは自分の心の中がぽかぽかと温かくなっていることに気付いた。
それはとても不思議な感覚で……温かさを堪能するように自分の胸元に手を置いて目を閉じる。
その様子を眺めていたメイソンとロッティが、顔を見合わせて微笑んだ。
「それじゃあ、今のうちにたくさん遊んでいかないとね」
「うん! そろそろボートの時間終わりだよね。今度は湖で泳ごう!」
「せっかく水着に着替えたしね」
「一人で旅をしていてもノワールと本が一緒だから、楽しかったけど……」
アシュリンは一度言葉を切って、ラルフの肩をぽんぽんと叩いた。
「ラルフとルプトゥムと一緒だと、もっと楽しかったの!」
ノワールとルプトゥム、それからアシュリンの本はボートには乗らずにぷかぷかと空を飛んでいた。ノワールががばっとアシュリンの顔に引っ付き、「むがっ」と彼女が苦しそうにノワールを引き離そうとする。
「……それじゃあ、一緒に行こうか。両親が家にいるかはわからないけれど」
「ん!」
べりっとノワールを引き離して、笑顔を見せるアシュリンに、ラルフが眉を下げた。
おそらく両親は今もいそがしく飛び回っているだろうから、アシュリンを紹介できる可能性は低い。
それでも、いつもお世話になっている人たちへは友だちとして紹介できるかもしれないと考え、ラルフは自分の心の中がぽかぽかと温かくなっていることに気付いた。
それはとても不思議な感覚で……温かさを堪能するように自分の胸元に手を置いて目を閉じる。
その様子を眺めていたメイソンとロッティが、顔を見合わせて微笑んだ。
「それじゃあ、今のうちにたくさん遊んでいかないとね」
「うん! そろそろボートの時間終わりだよね。今度は湖で泳ごう!」
「せっかく水着に着替えたしね」