【完結】アシュリンと魔法の絵本
4章:アシュリンと魔法の絵本。
アシュリンと魔法の絵本。 1話
――この世界、エルピスは不思議に満ちている。
リーリクルで三日ほどメイソンとロッティの家に泊まったアシュリンとラルフは、いつもの旅人の服に着替えて、彼らの家の前に立っていた。
「それじゃあ、おじいちゃん、おばあちゃん、お世話になりました!」
「楽しい時間をありがとうございました」
アシュリンとラルフは二人に向けて頭を下げる。すぐに顔を上げて、ロッティはパタパタと足音を立ててアシュリンをぎゅっと抱きしめる。
メイソンもラルフに近付き、彼の肩をぽんぽんと叩いた。
「少しのあいだだったが、孫が増えたようで楽しかったよ」
「アシュリン、ラルフくん。気をつけていってらっしゃい」
アシュリンに抱きついていたロッティが離れ、ほんの少しさびしそうに……それを隠すようににこりと微笑んで、二人に声をかける。
「いってきます」
二人は声をそろえて、メイソンとロッティに笑いかけた。
そして、スタスタと歩き出す。
ときどき、振り返ると大きく手を振ってくれていたので、アシュリンたちも振り返した。
『さぁ、また旅の始まりですよー!』
「……その本、湖にもいたけど、濡れなかったの?」
『魔法の本は濡れません! なぜなら魔法の本だからです!』
「……そ、そう」
本の勢いにラルフはタジタジだ。確かに何度湖に遊びに行っても濡れていなかったので、なにか不思議な力があるのだろう。
リーリクルで三日ほどメイソンとロッティの家に泊まったアシュリンとラルフは、いつもの旅人の服に着替えて、彼らの家の前に立っていた。
「それじゃあ、おじいちゃん、おばあちゃん、お世話になりました!」
「楽しい時間をありがとうございました」
アシュリンとラルフは二人に向けて頭を下げる。すぐに顔を上げて、ロッティはパタパタと足音を立ててアシュリンをぎゅっと抱きしめる。
メイソンもラルフに近付き、彼の肩をぽんぽんと叩いた。
「少しのあいだだったが、孫が増えたようで楽しかったよ」
「アシュリン、ラルフくん。気をつけていってらっしゃい」
アシュリンに抱きついていたロッティが離れ、ほんの少しさびしそうに……それを隠すようににこりと微笑んで、二人に声をかける。
「いってきます」
二人は声をそろえて、メイソンとロッティに笑いかけた。
そして、スタスタと歩き出す。
ときどき、振り返ると大きく手を振ってくれていたので、アシュリンたちも振り返した。
『さぁ、また旅の始まりですよー!』
「……その本、湖にもいたけど、濡れなかったの?」
『魔法の本は濡れません! なぜなら魔法の本だからです!』
「……そ、そう」
本の勢いにラルフはタジタジだ。確かに何度湖に遊びに行っても濡れていなかったので、なにか不思議な力があるのだろう。