【完結】アシュリンと魔法の絵本
アシュリンと魔法の絵本。 2話
キラキラと目を輝かせて、アシュリンはぐっと拳をにぎる。
「『宝物』がどんなものなのか、教えてもらっていい?」
「うん! あのね、わたし、思うんだ!」
ラルフがやさしい口調で問いかけ、アシュリンは自分の胸元で手を組んだ。
「わたしの思い出が、『たからもの』なんだって!」
十歳まで過ごしていたピロマ村での生活と、こうして旅をしているなかでできた思い出。どちらが新鮮かと聞かれたら、アシュリンは間違いなく旅に出てからと答えられる。
もちろん、ピロマ村での生活も好きだった。
大好きな家族と村人たちと過ごす日々は、おだやかな気持ちにしてくれるから。
だが、一歩村の外に出たら、自分が知っていた世界はとても小さなものだと感じた。
(わたしの世界は、まだ広がっていくんだ!)
その思いは、今もしっかりとある。
アシュリンはちらりとラルフを見る。彼は感心したようにうなずいていた。
「それじゃあ、もっともっと、アシュリンの『宝物』は増えていくね」
「うんっ」
旅をしていくうちに、思い出はたくさん作れるだろう。ラルフの言うように『たからもの』が増えていくのを想像して、アシュリンは「えへへ」と笑う。
「『宝物』がどんなものなのか、教えてもらっていい?」
「うん! あのね、わたし、思うんだ!」
ラルフがやさしい口調で問いかけ、アシュリンは自分の胸元で手を組んだ。
「わたしの思い出が、『たからもの』なんだって!」
十歳まで過ごしていたピロマ村での生活と、こうして旅をしているなかでできた思い出。どちらが新鮮かと聞かれたら、アシュリンは間違いなく旅に出てからと答えられる。
もちろん、ピロマ村での生活も好きだった。
大好きな家族と村人たちと過ごす日々は、おだやかな気持ちにしてくれるから。
だが、一歩村の外に出たら、自分が知っていた世界はとても小さなものだと感じた。
(わたしの世界は、まだ広がっていくんだ!)
その思いは、今もしっかりとある。
アシュリンはちらりとラルフを見る。彼は感心したようにうなずいていた。
「それじゃあ、もっともっと、アシュリンの『宝物』は増えていくね」
「うんっ」
旅をしていくうちに、思い出はたくさん作れるだろう。ラルフの言うように『たからもの』が増えていくのを想像して、アシュリンは「えへへ」と笑う。