【完結】アシュリンと魔法の絵本
彼女の表情があまりにも幸せに満ちていて、ラルフはくすっと笑い声をもらす。
「それで言うなら、ぼくの思い出も『宝物』なのか」
「いいんじゃないか、思い出が『宝物』なんて、素敵じゃないか」
ルプトゥムがラルフの言葉を拾い、もすっと軽くラルフに頭突きした。
使い魔の頭を撫でながら、ラルフは目を伏せて「そうだね」とやわらかい口調で肯定する。
『人それぞれ、いろんな思い出がありますからね! 私はフォーサイス家の本ですが、ラルフさんの思い出も興味がありますよ!』
「みんな同じだったら怖いにゃ」
わいわいと会話しているうちに、ぐぅ、とアシュリンとラルフのお腹が鳴った。
「お腹空いたね」
「うん、それにしても、あのポトフおいしかったな」
「わたしも手伝ったんだよ!」
「ぼく、料理をしたことがあんまりないから、なんだか新鮮だったよ」
実はラルフもロッティの手伝いをした。アシュリンよりも慣れない手つきだったが、コツを覚えるとすぐにジャガイモの皮もニンジンの皮もむくことができたので、アシュリンが「なんでーっ!?」と叫んでいたことがすぐに思い出せる。
「料理は習っていたんでしょ?」
「軽くね。でも、なんていうか……温かい人たちだったな、ロッティさんもメイソンさんも」
まだ別れて数時間しか経っていないのに、なぜか懐かしく思えることに、ラルフは肩をすくめた。
「それで言うなら、ぼくの思い出も『宝物』なのか」
「いいんじゃないか、思い出が『宝物』なんて、素敵じゃないか」
ルプトゥムがラルフの言葉を拾い、もすっと軽くラルフに頭突きした。
使い魔の頭を撫でながら、ラルフは目を伏せて「そうだね」とやわらかい口調で肯定する。
『人それぞれ、いろんな思い出がありますからね! 私はフォーサイス家の本ですが、ラルフさんの思い出も興味がありますよ!』
「みんな同じだったら怖いにゃ」
わいわいと会話しているうちに、ぐぅ、とアシュリンとラルフのお腹が鳴った。
「お腹空いたね」
「うん、それにしても、あのポトフおいしかったな」
「わたしも手伝ったんだよ!」
「ぼく、料理をしたことがあんまりないから、なんだか新鮮だったよ」
実はラルフもロッティの手伝いをした。アシュリンよりも慣れない手つきだったが、コツを覚えるとすぐにジャガイモの皮もニンジンの皮もむくことができたので、アシュリンが「なんでーっ!?」と叫んでいたことがすぐに思い出せる。
「料理は習っていたんでしょ?」
「軽くね。でも、なんていうか……温かい人たちだったな、ロッティさんもメイソンさんも」
まだ別れて数時間しか経っていないのに、なぜか懐かしく思えることに、ラルフは肩をすくめた。