【完結】アシュリンと魔法の絵本
「ラルフはずっと一人で旅をしていたんだよね?」
「うん、アシュリンに出会うまでは」
「さびしくなかった?」
ラルフは口元に指をかけて「うーん」と考え込む。
旅を始めるきっかけは、ただの気まぐれだった。家の中でずっと暮らしているよりは、外を見にいきたい。自分の知らない世界を見たい。
そう思ったから、旅に出た。
「さびしい、がどんな気持ちなのか、よくわからなかったかな……最初は」
日中はお手伝いさんや家庭教師がいたが、夜になればそれぞれの家に帰っていく。
家に帰る後ろ姿を見て、心のどこかにすきま風が吹いていた。きっとそれが『さびしい』という感情だったのだろうと今では思える。
「自分のことを良くわかっていなかったけど……、旅に出てから少しずつわかるようになったかもしれない」
「そうなの?」
「うん、アシュリンのおかげでね」
ラルフは手を伸ばしてアシュリンの頭にぽんと手を置いて、そっと撫でた。
彼女の髪型が崩れないように、そっと。
そのやさしい手つきに、アシュリンは目をパチパチとさせた。
「自分の中に、いろんな感情があるって知ることができたよ」
「うん、アシュリンに出会うまでは」
「さびしくなかった?」
ラルフは口元に指をかけて「うーん」と考え込む。
旅を始めるきっかけは、ただの気まぐれだった。家の中でずっと暮らしているよりは、外を見にいきたい。自分の知らない世界を見たい。
そう思ったから、旅に出た。
「さびしい、がどんな気持ちなのか、よくわからなかったかな……最初は」
日中はお手伝いさんや家庭教師がいたが、夜になればそれぞれの家に帰っていく。
家に帰る後ろ姿を見て、心のどこかにすきま風が吹いていた。きっとそれが『さびしい』という感情だったのだろうと今では思える。
「自分のことを良くわかっていなかったけど……、旅に出てから少しずつわかるようになったかもしれない」
「そうなの?」
「うん、アシュリンのおかげでね」
ラルフは手を伸ばしてアシュリンの頭にぽんと手を置いて、そっと撫でた。
彼女の髪型が崩れないように、そっと。
そのやさしい手つきに、アシュリンは目をパチパチとさせた。
「自分の中に、いろんな感情があるって知ることができたよ」