【完結】アシュリンと魔法の絵本
アシュリンと一緒に旅をして、まだ半年も経っていないのに、ラルフの中にはいろいろな感情が生まれていた。そして、その感情を顔に出すこともできるようになっているのを感じる。
きっと、あのまま一人旅をしていたら、気付けなかったことも多かったろうと考え、ラルフはひっそりと口角を上げた。
「旅は道連れ世は情け、か。確かにそうかもしれないね」
「おばあちゃんの言葉?」
「うん。ロッティさんの言葉が良くわかるなぁって」
ルプトゥムがいたから、おそらく街道で寝ていても馬車にひかれることはなかっただろう。
だが、危険なことに変わりはない。
「アシュリンは家族にたくさん愛されて、育ったんだね」
しみじみとつぶやくラルフは、まぶしいものを見るように目元を細めてアシュリンを見た。
「……? ラルフだって愛されているでしょ?」
「そうだね。愛の形は目で見えないんだなぁって、考えを改めているところ」
神殿都市で暮らしていたとき、どれだけ両親のこと愛せていただろうか。
ラルフは両肩を上げると、地図をしまい、代わりにメイソンとロッティにぎゅうぎゅうに詰め込まれた食料を取り出した。
アシュリンも自分のリュックからいろいろと取り出し、テーブルに並べる。
ずらりと並んだ料理の数々に、「おばあちゃん家に行ったんだなぁ」とぽつりと言葉をこぼすアシュリン。
きっと、あのまま一人旅をしていたら、気付けなかったことも多かったろうと考え、ラルフはひっそりと口角を上げた。
「旅は道連れ世は情け、か。確かにそうかもしれないね」
「おばあちゃんの言葉?」
「うん。ロッティさんの言葉が良くわかるなぁって」
ルプトゥムがいたから、おそらく街道で寝ていても馬車にひかれることはなかっただろう。
だが、危険なことに変わりはない。
「アシュリンは家族にたくさん愛されて、育ったんだね」
しみじみとつぶやくラルフは、まぶしいものを見るように目元を細めてアシュリンを見た。
「……? ラルフだって愛されているでしょ?」
「そうだね。愛の形は目で見えないんだなぁって、考えを改めているところ」
神殿都市で暮らしていたとき、どれだけ両親のこと愛せていただろうか。
ラルフは両肩を上げると、地図をしまい、代わりにメイソンとロッティにぎゅうぎゅうに詰め込まれた食料を取り出した。
アシュリンも自分のリュックからいろいろと取り出し、テーブルに並べる。
ずらりと並んだ料理の数々に、「おばあちゃん家に行ったんだなぁ」とぽつりと言葉をこぼすアシュリン。