【完結】アシュリンと魔法の絵本
アシュリンとラルフ。 4話
あんなにやさしい顔をしていたのだから、きっとその人たちのことが大好きだったのだろうと思っていたのだが、ラルフは頬に手を添えたまま黙ってしまい……なにか変なことを言っちゃったかな? とぐるぐる考え込む。
「――そっか、そうだったのかもしれない」
「え?」
「なんというか、それが普通だったから気付いてなかったのかも。ぼく、きっとあの人たちのことが大好きだったんだ」
「もしかして、いま気付いたの?」
「うん」
こくっとうなずくのを見て、アシュリンはぽかんと口を開けた。
ラルフは自分の感情に気付けなかったのかな? と首をかしげる。でも、すぐに考えを改めた。彼の両親は忙しい人だったから、彼は感情を表に出すことも少なかったのかもしれない――と。
そうしているうちに、自分の気持ちに鈍感になっちゃったのかもしれない。そこまで考えて、それはちょっとさびしいことだと感じる。
「ねえ、ラルフ。――わたし、思いついちゃった」
「なにを?」
「ラルフは旅をして、感情を表に出すことを目標にしようよ!」
アシュリンの提案に、ラルフは目を大きく目を見開いた。そして、パチパチと瞬かせて、「え?」と聞き返す。
「大好きな人たちに『大好き!』って伝えられるようにしようよ! あいじょうひょーげんは大事って、お父さんが言っていたし!」
「愛情表現、ね。でもいまさらな気がするんだけど……」
「そんなことないよ! だって家族から『好き!』って言われたら、うれしいもん! ラルフはうれしくない?」
「――そっか、そうだったのかもしれない」
「え?」
「なんというか、それが普通だったから気付いてなかったのかも。ぼく、きっとあの人たちのことが大好きだったんだ」
「もしかして、いま気付いたの?」
「うん」
こくっとうなずくのを見て、アシュリンはぽかんと口を開けた。
ラルフは自分の感情に気付けなかったのかな? と首をかしげる。でも、すぐに考えを改めた。彼の両親は忙しい人だったから、彼は感情を表に出すことも少なかったのかもしれない――と。
そうしているうちに、自分の気持ちに鈍感になっちゃったのかもしれない。そこまで考えて、それはちょっとさびしいことだと感じる。
「ねえ、ラルフ。――わたし、思いついちゃった」
「なにを?」
「ラルフは旅をして、感情を表に出すことを目標にしようよ!」
アシュリンの提案に、ラルフは目を大きく目を見開いた。そして、パチパチと瞬かせて、「え?」と聞き返す。
「大好きな人たちに『大好き!』って伝えられるようにしようよ! あいじょうひょーげんは大事って、お父さんが言っていたし!」
「愛情表現、ね。でもいまさらな気がするんだけど……」
「そんなことないよ! だって家族から『好き!』って言われたら、うれしいもん! ラルフはうれしくない?」