【完結】アシュリンと魔法の絵本
『あー! 待ってください、待ってください! 私に魔力をくださーい!』
「うわぁっ、そうだった!」
がばっと起き上がって近くにいる本を手にする。そうっと魔力を注ぐと、本は『満足です!』とすでに丸くなっていたノワールのとなりにパフっと軽い音を立てて落ちた。
ノワールがちらっと本を見て、ペシンとしっぽをベッドに叩きつけてから目を閉じる。すやすやと眠りに落ちる使い魔と、眠っているのかどうかわからない本を眺めてアシュリンはまくらに頭を乗せた。
目を閉じるとあっという間に眠りに落ち――……
その日は、鮮明な夢を見た。
星たちがきらめくところを、雲に乗って遊んでいる夢だ。なんとラルフとルプトゥムも一緒で、ふわふわの雲の上でごろごろと寝転んで空に手を伸ばす。
「お星さまはとれないのかなぁ」
「ほしいの? お星さま」
「うん!」
どんなに手を伸ばしても触れることができずに、アシュリンはしょんぼりと肩を落とした。雲に乗っている夢なのだから、お星さまにも手が届けばいいのにとじっと眺めていると、ラルフがぽんっと音を立ててほうきを取り出した。
ほうきにまたがり、ふわっと飛んでしまう。
「うわぁっ、そうだった!」
がばっと起き上がって近くにいる本を手にする。そうっと魔力を注ぐと、本は『満足です!』とすでに丸くなっていたノワールのとなりにパフっと軽い音を立てて落ちた。
ノワールがちらっと本を見て、ペシンとしっぽをベッドに叩きつけてから目を閉じる。すやすやと眠りに落ちる使い魔と、眠っているのかどうかわからない本を眺めてアシュリンはまくらに頭を乗せた。
目を閉じるとあっという間に眠りに落ち――……
その日は、鮮明な夢を見た。
星たちがきらめくところを、雲に乗って遊んでいる夢だ。なんとラルフとルプトゥムも一緒で、ふわふわの雲の上でごろごろと寝転んで空に手を伸ばす。
「お星さまはとれないのかなぁ」
「ほしいの? お星さま」
「うん!」
どんなに手を伸ばしても触れることができずに、アシュリンはしょんぼりと肩を落とした。雲に乗っている夢なのだから、お星さまにも手が届けばいいのにとじっと眺めていると、ラルフがぽんっと音を立ててほうきを取り出した。
ほうきにまたがり、ふわっと飛んでしまう。