【完結】アシュリンと魔法の絵本
「あっ、ラルフ、紹介するね。フォーサイス家の長男のアンディです!」

 アンディにツッコミを入れてから、ハッとしたように顔をラルフに向けて家族を紹介した。ラルフはじっとアンディを見つめて、ぺこりと頭を下げる。

「ラルフ・クラークです。この子はぼくの使い魔のルプトゥム。ひょんなことから彼女と旅をしています」
「アンディ・フォーサイスです。よろしくね」

 すっと右手を差し出すアンディに、ラルフはその手を(にぎ)る。ぶんぶんと上下に振り回されて、ラルフは目をぱちぱちと(またた)かせた。

「げ、元気ですね……?」
「普通だよ?」
「フォーサイス家の人間は誰もこんな感じだから、慣れたほうが良いぞちびっこ」
「えっと、ちびっこってぼくのことですか……?」
「うむ」

 どこかえらそうなニーグルムに、ノワールがシャー! と毛並みを逆立てた。仲はあまり良くないのかと一瞬考えたが、ラルフはルプトゥムに視線を落とす。

「えーっと、アンディさんはいくつでしたっけ?」
「十五歳だよ」
「三年の差は大きい、ということかな……?」

 と、小さな声でつぶやくラルフに、アシュリンは首をかしげた。

「お兄ちゃん、本当に背が伸びたよね。三年前はもっと顔が近かったのに」
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