【完結】アシュリンと魔法の絵本
アシュリンとお兄ちゃん。 2話
髪がぐしゃぐしゃになったアシュリンは、さっさと手で直しているが、崩れたままだ。そのことに唇を尖らせて不満をアピールしている。
「休憩スペースで直すから、ほら、行こう」
「うんっ! ラルフも行こう!」
「あ、うん」
休憩スペースは静かだった。アシュリンたち以外、誰もいない――と、思ったら、奥から人がパタパタと走ってきた。
「おおーい、アンディー! 会えたかーいっ?」
ピンク色の髪に青空のような空色の瞳を持つ、少年とも少女とも言えそうな声で近付いてきた人に気付き、アシュリンたちは足を止める。
「会えたよ、ディータ。この子がおれの妹のアシュリン・フォーサイス。かわいい子だろ?」
ずいっとアシュリンのことをディータの前に押し出す。それよりも、アンディが『おれ』と言っていたことに驚いて、目を丸くした。
「へぇー、この子が妹ちゃんかぁ。自慢するだけあってかわいいね」
「じ、じまんっ?」
ディータがにこにことしながらうなずく。
いったいどんな自慢をしていたのか気になったが、どんどん顔が熱くなっていく。きっと真っ赤になっているだろうと考えて、アシュリンは顔を両手で隠した。
「あはは、真っ赤になっちゃった。どんな自慢をしていたかは、あとで教えてあげるね」
「えー、言うの?」
「だってボクがうんざりするくらい家族自慢していたからね。ご家族に会ったら、絶対言ってやろうと思ってたんだ」
にこやかに言っているが、おそらくたくさん聞かされていたのだろう。ピンク色の髪を肩まで伸ばしているディータは、肩をすくめてアンディとラルフを見る。
「休憩スペースで直すから、ほら、行こう」
「うんっ! ラルフも行こう!」
「あ、うん」
休憩スペースは静かだった。アシュリンたち以外、誰もいない――と、思ったら、奥から人がパタパタと走ってきた。
「おおーい、アンディー! 会えたかーいっ?」
ピンク色の髪に青空のような空色の瞳を持つ、少年とも少女とも言えそうな声で近付いてきた人に気付き、アシュリンたちは足を止める。
「会えたよ、ディータ。この子がおれの妹のアシュリン・フォーサイス。かわいい子だろ?」
ずいっとアシュリンのことをディータの前に押し出す。それよりも、アンディが『おれ』と言っていたことに驚いて、目を丸くした。
「へぇー、この子が妹ちゃんかぁ。自慢するだけあってかわいいね」
「じ、じまんっ?」
ディータがにこにことしながらうなずく。
いったいどんな自慢をしていたのか気になったが、どんどん顔が熱くなっていく。きっと真っ赤になっているだろうと考えて、アシュリンは顔を両手で隠した。
「あはは、真っ赤になっちゃった。どんな自慢をしていたかは、あとで教えてあげるね」
「えー、言うの?」
「だってボクがうんざりするくらい家族自慢していたからね。ご家族に会ったら、絶対言ってやろうと思ってたんだ」
にこやかに言っているが、おそらくたくさん聞かされていたのだろう。ピンク色の髪を肩まで伸ばしているディータは、肩をすくめてアンディとラルフを見る。