【完結】アシュリンと魔法の絵本
――と、ラルフが説明すると、ディータがパチパチと手を叩いて、彼の言葉を絶賛した。
「そう、その通り! ボクがこうして旅をできるのは、クラーク家からいただいた指輪のおかげなんだ。だから、ありがとう!」
「えっと、両親に伝えますね」
目をキラキラと輝かせて、ディータは何度もうなずいた。
「……クラーク家っていろんなことをしてるのね」
「そうみたい」
自分の両親がどんなことをしているのか、どこまで手を広げているのかを想像して、ラルフは軽く頬をかく。
まさか、こういうこともしているとは思わなかったので、内心びっくりしているラルフだった。
「……あの、ディータさんの性別って……?」
「あ、やっぱり気になっちゃう? どこでもわりと間違えられるから、先に答えておくと男だよー」
「男の人だったんだ! ありがとうございます、スッキリしました」
着ている服もローブのようなもので体型がわからず、顔も声も中性的でどちらなんだろうと悩んでいたアシュリンは、性別がわかってスッキリとした晴れ晴れしい笑顔を浮かべる。
「おれとこいつの背、そんなに変わらないのにわからなかったのか?」
「お兄ちゃんは『お兄ちゃん』だもん。あと、背の高い女の人だっているじゃない」
「まぁ、それもそうだけど……」
「アンディくらいだよ、ボクのこと最初から男だと思って話しかけてきたのは」
くすくすと笑うディータに、アンディは後頭部に手を置いた。そして「そうかなぁ?」とぽつりと言葉をこぼす。
「そう、その通り! ボクがこうして旅をできるのは、クラーク家からいただいた指輪のおかげなんだ。だから、ありがとう!」
「えっと、両親に伝えますね」
目をキラキラと輝かせて、ディータは何度もうなずいた。
「……クラーク家っていろんなことをしてるのね」
「そうみたい」
自分の両親がどんなことをしているのか、どこまで手を広げているのかを想像して、ラルフは軽く頬をかく。
まさか、こういうこともしているとは思わなかったので、内心びっくりしているラルフだった。
「……あの、ディータさんの性別って……?」
「あ、やっぱり気になっちゃう? どこでもわりと間違えられるから、先に答えておくと男だよー」
「男の人だったんだ! ありがとうございます、スッキリしました」
着ている服もローブのようなもので体型がわからず、顔も声も中性的でどちらなんだろうと悩んでいたアシュリンは、性別がわかってスッキリとした晴れ晴れしい笑顔を浮かべる。
「おれとこいつの背、そんなに変わらないのにわからなかったのか?」
「お兄ちゃんは『お兄ちゃん』だもん。あと、背の高い女の人だっているじゃない」
「まぁ、それもそうだけど……」
「アンディくらいだよ、ボクのこと最初から男だと思って話しかけてきたのは」
くすくすと笑うディータに、アンディは後頭部に手を置いた。そして「そうかなぁ?」とぽつりと言葉をこぼす。