【完結】アシュリンと魔法の絵本
アシュリンとお兄ちゃん。 6話
食べ終えた食器を下げて、アシュリンは「お腹いっぱーい」と幸せそうにお腹を撫でた。その姿を見てアンディは彼女に近付き、肩に手を置いて視線を下げる。
「お兄ちゃん?」
「よかった、まだほっぺたはぷにぷにだ」
「にゃにすりゅの」
見上げたアシュリンの頬を両手で挟み、感触を確かめるようにくにくにと押したり引いたりして遊ぶアンディに、彼の手をつかんで止めさせようとしたが、びくとも動かないことに驚いた。
「ムムム……」
「アシュリンの力じゃ無理だよ。おれのほうが力あるんだから」
まだ頬をくにくにとしながら、アンディは得意げに笑う。しばらくアシュリンの頬を触り続けてから、ぱっと手を離す。
「むぅ」
「そんな顔をしても、かわいいだけだぞー」
心底そう思っているのか、アンディはずっと笑顔だ。アシュリンは変わらない兄の様子に小さく息を吐いて、家に帰ってからのアンディの姿を予想する。妹のエレノアにも同じことをするんじゃないかと思い、ノワールを呼んだ。
「にゃ?」
「はー、ノワールの毛並み気持ちいいー」
ぴょんとアシュリンの膝の上に乗り、丸くなったノワールを撫でていると心が落ち着くようで、アシュリンはふにゃりと表情をほころばせる。
「お兄ちゃん?」
「よかった、まだほっぺたはぷにぷにだ」
「にゃにすりゅの」
見上げたアシュリンの頬を両手で挟み、感触を確かめるようにくにくにと押したり引いたりして遊ぶアンディに、彼の手をつかんで止めさせようとしたが、びくとも動かないことに驚いた。
「ムムム……」
「アシュリンの力じゃ無理だよ。おれのほうが力あるんだから」
まだ頬をくにくにとしながら、アンディは得意げに笑う。しばらくアシュリンの頬を触り続けてから、ぱっと手を離す。
「むぅ」
「そんな顔をしても、かわいいだけだぞー」
心底そう思っているのか、アンディはずっと笑顔だ。アシュリンは変わらない兄の様子に小さく息を吐いて、家に帰ってからのアンディの姿を予想する。妹のエレノアにも同じことをするんじゃないかと思い、ノワールを呼んだ。
「にゃ?」
「はー、ノワールの毛並み気持ちいいー」
ぴょんとアシュリンの膝の上に乗り、丸くなったノワールを撫でていると心が落ち着くようで、アシュリンはふにゃりと表情をほころばせる。