【完結】アシュリンと魔法の絵本
「……そうだ、お兄ちゃん。お兄ちゃんはどこからきたの?」
「ん? どこから?」
「わたし、陸路を選んでいたけれど、お兄ちゃんは空の道を飛んできてたのかなって」
「あー……。半々くらいかな? ここからだと家に近いから、陸路で行く予定」
アンディの言葉は意外だった。兄は身体を動かすことが好きだったので、ずっと陸路を歩いているのだと思っていたのだ。
「お兄ちゃん、身体動かすの……好きだったよね?」
「まぁね。でも、三年も旅をしていると、陸路も空の道も良いところと悪いところがあるなぁって気付けるんだよ」
つん、とアシュリンの額を突いて、アンディは彼女から離れた。そして荷物を持って小屋から出ていこうとする。
「お兄ちゃん、どこに行くの?」
「ちょっとディータの様子を見に。ラルフって子、たぶんあいつと一緒にいるから」
「じゃあ私も……」
「いや、アシュリンは家で本を読んでいてくれ。明日にはまた離れちゃうからな」
アシュリンはハッとしたようにアンディを見た。目的地が違うのだから、明日になれば別の道をいくのだと気付き、こくりとうなずいた。
「じゃあ、今日のうちにたくさん読まないと!」
「夜更かしはしないようにな」
「はーい」
実家でいつも聞いていた言葉を耳にして、アシュリンは懐かしむように目元を細めてノワールを撫でる。
ノワールも「見張ってるにゃー」と尻尾を振った。
「ん? どこから?」
「わたし、陸路を選んでいたけれど、お兄ちゃんは空の道を飛んできてたのかなって」
「あー……。半々くらいかな? ここからだと家に近いから、陸路で行く予定」
アンディの言葉は意外だった。兄は身体を動かすことが好きだったので、ずっと陸路を歩いているのだと思っていたのだ。
「お兄ちゃん、身体動かすの……好きだったよね?」
「まぁね。でも、三年も旅をしていると、陸路も空の道も良いところと悪いところがあるなぁって気付けるんだよ」
つん、とアシュリンの額を突いて、アンディは彼女から離れた。そして荷物を持って小屋から出ていこうとする。
「お兄ちゃん、どこに行くの?」
「ちょっとディータの様子を見に。ラルフって子、たぶんあいつと一緒にいるから」
「じゃあ私も……」
「いや、アシュリンは家で本を読んでいてくれ。明日にはまた離れちゃうからな」
アシュリンはハッとしたようにアンディを見た。目的地が違うのだから、明日になれば別の道をいくのだと気付き、こくりとうなずいた。
「じゃあ、今日のうちにたくさん読まないと!」
「夜更かしはしないようにな」
「はーい」
実家でいつも聞いていた言葉を耳にして、アシュリンは懐かしむように目元を細めてノワールを撫でる。
ノワールも「見張ってるにゃー」と尻尾を振った。