【完結】アシュリンと魔法の絵本
「あ、これ……懐かしい味がする」
「ディータにはそうだろうな。ディータの故郷の名物だから」
「……なんでボクの故郷の名物を、アンディが?」
「おいしかったから、家族に食べてもらおうと思ってレシピもらった」
ディータもコーンスープを飲んだようで、目を丸くしていてアンディを見る。その様子を眺めながら、アシュリンはウインナーをナイフとフォークで一口サイズに切り、口に運ぶ。
パリッと焼かれたウインナーは、口の中で肉汁があふれる。すかさず白いパンを口に放り込むと、パンの甘みとうまみが重なってさらにおいしくなった。
幸せそうに食べるアシュリンは、三人の目が自分に向いていることに気付いて、ごくんと飲み込んでから「どうしたの?」と首をかしげる。
「おいしそうに食べる子だなぁって。アンディに聞いていた通り」
「お兄ちゃんに?」
「そう。かわいがっていた妹たちのことを、よく自慢げに話していたんだよ」
ディータはアンディが自分にどんなことを話していたのかを、アシュリンに教えた。アシュリンが生まれてから、ミルクを飲んだとき、ハイハイした日、初めて立った日などをずっと聞いていた――と。
「赤ちゃんの頃の話から!?」
「もう一人の妹であるエレノアちゃんのこともね……」
遠くを見るディータに、アシュリンは呆れたような、ほんの少しだけうれしそうな表情を浮かべて、その顔を隠すように頬に両手を添える。
「ディータにはそうだろうな。ディータの故郷の名物だから」
「……なんでボクの故郷の名物を、アンディが?」
「おいしかったから、家族に食べてもらおうと思ってレシピもらった」
ディータもコーンスープを飲んだようで、目を丸くしていてアンディを見る。その様子を眺めながら、アシュリンはウインナーをナイフとフォークで一口サイズに切り、口に運ぶ。
パリッと焼かれたウインナーは、口の中で肉汁があふれる。すかさず白いパンを口に放り込むと、パンの甘みとうまみが重なってさらにおいしくなった。
幸せそうに食べるアシュリンは、三人の目が自分に向いていることに気付いて、ごくんと飲み込んでから「どうしたの?」と首をかしげる。
「おいしそうに食べる子だなぁって。アンディに聞いていた通り」
「お兄ちゃんに?」
「そう。かわいがっていた妹たちのことを、よく自慢げに話していたんだよ」
ディータはアンディが自分にどんなことを話していたのかを、アシュリンに教えた。アシュリンが生まれてから、ミルクを飲んだとき、ハイハイした日、初めて立った日などをずっと聞いていた――と。
「赤ちゃんの頃の話から!?」
「もう一人の妹であるエレノアちゃんのこともね……」
遠くを見るディータに、アシュリンは呆れたような、ほんの少しだけうれしそうな表情を浮かべて、その顔を隠すように頬に両手を添える。