すずのおはなし

プロローグ 〜かずのおはなし〜

私はかずと呼ばれていました。

私は雌の白猫
年齢は知らないけど
出産は何度かある。
毎回一生懸命育てたけれど
なくなってしまう子供もいる。

私の最後の出産に倉庫を選んだ。
ここは暖かくて、蛇やカラスは入ってこれない。

私はここで白猫2匹と茶トラを1匹産んだ
ここは安全だと思ったのに
出産してしばらくして
繋ぎを着た若い男の人間に見つかった。

若い男がお爺さんを連れてきた。
2人はとても親切な人間だったの。

私にカリカリご飯をお爺さんがくれるようになって
お爺さんがいない日は若い男がカリカリをくれた。
若い男はおもちゃを持ってきて
毎日子供たちや私と遊んでくれた

子ども達が私と同じカリカリのご飯を食べ始めた頃
茶トラの子供と白猫の子供が箱に入れられるのを見たそして若い男が連れて行った。

お爺さんが言うには若い男の家で
カリカリご飯もお水も毎日用意されて
寒さも暑さからも守ってくれて
いっぱい遊んでくれて
ずっとずっと沢山大事にしてくれるんだって

だけど悲しかったから
数日はお爺さん達に会わずに
倉庫の奥に隠れたわ

残った白猫の子は私の側から離れない子だったから
あの子達が捕まった時は捕まらずにすんだ。
でもお腹すいちゃうから
またカリカリを食べに行くようになった

そしてついに私と白猫い子供も箱に入れられた。
お爺さんに連れられて
倉庫じゃない知らない家に来た。

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