家賃滞納の保証にクラスのイケメンを預かりました
4話
・千夏モノローグ(これは別にデートじゃない。玲央君にはまだ私しか友達が居ないから)
○鏡の前で服をチェックする千夏。どうしても緊張してしまう様子。
・千夏「どうしよう。変じゃないかな」
・千夏モノローグ(分かってるけど緊張してしまう。だって男の子と二人でお出かけなんて初めてなんだもん。しかも相手はあの学校一のイケメン・玲央君・・)
○昼間の街中を歩く二人。
・玲央「まずは何しようか。ちーちゃん何か見たいものある?」
私服怜央の輝きに目を細める千夏。
・千夏心の声(ブランド服(事務所支給)オシャ!スタイルオシャ! 顔オシャ! それに比べて私!)
・千夏「あ、特には・・玲央君の好きでいいよ」
・玲央「そう? じゃあ早速行きたいとこあるんだけど、いいかな」
身長180センチと149センチの30センチ差の二人。玲央には道行く人々の視線が集まり、隣で気後れして下を向く千夏。
・千夏心の声(妹にしか見られてないだろうな・・玲央君、私なんかと一緒に歩いてて恥ずかしくないだろうか・・)
気後れからつい離れて歩いてしまう千夏。
・玲央「なんで離れるの?」
・千夏「え? い、いや・・」
・玲央「ごめんね、僕歩くの早かったかな? ちゃんとエスコートしないとね」
千夏に手を差し出す玲央。
・玲央「お手をどうぞ。プリンセス」
・千夏心の声(王子感ハンパない!)
ドキドキする内心をなんとか抑え、それを断る千夏。
・千夏「そ、そんな・・玲央君また執事モード入ってるよ。そんなに気を使わなくて大丈夫。玲央君はウチの家族なんだからさ」
玲央の差し出した手を素通りする千夏。その背中を少し気落ちした様子で見つめる玲央。先を歩く千夏の顔はまだ赤い。
・千夏モノローグ(びっくりした・・いきなりあんな王子感だされても困るよ。相手が眞野さんみたいな美少女ならいざ知らず・・。プリンセス気取るにはスペックが足りなさ過ぎる!)
○カフェで購入したフラッペを手にする二人
・玲央「これ凄い美味しいよね」
・千夏「玲央君甘いもの好きなんだ」
・玲央「うん。撮影でだけど初めて飲んだとき感動した。・・でも定食食べれる値段だよね」
・千夏「そうだね・・」
苦笑いする千夏。
○街を散策する二人の風景。
イヤリングを見てかわいいと目を奪われる千夏に気がつく玲央。それを手に取る。
・玲央「これください」
・千夏「い、いいよ玲央君! 自分で買うから!」
・玲央「せっかくだし買わせてよ」
・千夏「でも玲央君の大切なお金が・・」
・玲央「僕の好きに使えって言ったのはちーちゃんだよ?」
笑顔を向けられてドキっとしてしまう千夏。
・玲央「誰かにプレゼント買うとかも、やってみたかったんだよね。初めて自分のお金でフラッペ飲んだ。初めて友達と街を散策した。初めて大事な人にプレゼントを買った。今日は付き合ってくれてありがとう。初めてがちーちゃんで良かった」
素直な玲央の言葉に胸を打たれる千夏。
・千夏「私も男の子にアクセサリー買って貰うのなんて初めてだ!」
玲央に満面の笑顔を返した千夏を見て、玲央の心に浮かんだのは奏介と歩く千夏の後姿。奏介の先を越した喜びで、玲央は突然「・・シャ!!」とガッツポーズを決める。いつも落ち着いている玲央の意外な反応に驚く千夏。
・千夏「なにそれ。そんなに嬉しい?」
ツボに入り笑う千夏。
・玲央「うん。ちーちゃんの初めて、めっちゃ嬉しい」
・千夏モノローグ(バカだな私・・。私と一緒で恥ずかしいかなとか変なこと考えちゃった。玲央君はそんなこと思う人じゃない)
笑い合う二人。しかしその二人の姿を、通りすがりの玲央のファンが見つける。
・ファンA「あれモデルのレオじゃね? 隣だれ?」
・ファンB 「妹じゃね。いいとこ中学生でしょあれ」
・ファンA「休日に妹と遊ぶレオ萌える」
ファンは隠し撮り写真をSNSへ投稿してしまう。
○日が暮れた夕方。帰りの電車を降りると千夏のスマホが鳴る。
・梓「もしもし、千夏? あんた今、山添と一緒にいる?」
・千夏「え? そうだけど・・」
・梓「あんたと山添が一緒のとこ、SNSに投稿されてるよ!」
頭が真っ白になる千夏。間を置いて「なんだってぇー!?」と驚愕する。
・梓「遠巻きだしほとんど顔は見えてないけど・・気づく人は気づくかもね」
・千夏「玲央君、どうしよう・・」
涙目になる千夏。
・千夏モノローグ(玲央君がすぐに事務所に連絡し、削除申請をしてくれたようで、その投稿は削除されたのだが・・当然、既に拡散されたものを見てしまった人もいる訳で・・)
○学校の教室。クラスメイトに囲まれる千夏。
・友達たち「どういう事!? これ絶対千夏だよね?」
友達にスマホを突きつけ詰め寄られる千夏。
・千夏「ぐ、偶然街で会って、少し話しただけだよ・・」
・友達A「ほんとに?」
・千夏「もちろん。山添君と私が休みの日に約束なんかするわけないじゃん」
・友達たち「まぁそりゃそうか」「あーびっくりした」
霧散する人だかり。その様子を、玲央が複雑そうな顔で見つめている。しかしほっと一息ついた千夏のところへ、「千夏・・呼んでるよ」と声がかかる。そこには愛らしい笑顔で手を振る別クラスの美少女・眞野杏奈らのグループの姿があり、千夏は顔を引き攣らせる。
・千夏(げ・・。要件は多分、玲央君とのことだよな)
呼び出される千夏の後を追おうと立ち上がりかけた玲央の机に、突然バンと手を叩きつけたのは梓だった。怒った顔で玲央を一瞥して去っていく梓。机の上には小さく畳まれたメモが置かれている。それを開くと、紙には「余計ややこしくなるから口だすな」と記載されている。
○杏奈たち女子グループにトイレ内で囲まれる千夏。さきほどとは打って変わって、不機嫌そうな表情の杏奈。
・杏奈「何これ? 何であんたみたいなのがレオと一緒にいるの? どういう事か説明してよ」
・千夏「で、ですから・・街でたまたま出会して少しだけお話したところを、タイミング悪く撮られてしまっただけでして・・」
・杏奈「本当でしょうね?」
・千夏「あ、当たり前ですよ。私みたいなのが山添君に相手にされる訳ないじゃないですか」
・杏奈「身の程弁えてるならまぁいいわ。二度とレオに馴れ馴れしくすんなよ、チビブス」
杏奈の暴言にショックを受ける千夏。しかしそこへバンという音が響く。見るとそこには、キレ顔でトイレの入口ドアを足下にする梓の姿が。
・梓「いい加減にしろよ、この性格ブス」
・杏奈の取り巻きA「こ、こいつ女バスの藤原・・」
怯む取り巻きを差し置いて、睨み合う梓と杏奈。
・杏奈「どけよゴリラ」
・梓「演技サボると男子に本性バレんぞ。二重人格」
バチバチの二人を見て「こっっわ!!」と震え上がる千夏と取り巻き達。
○奏介のクラスの教室。奏介の友達がスマホを手に声をあげる。
・奏介の友達「おーーい、奏介! たいへーん!」
呼ばれて歩みよる奏介。
・奏介「なんだよ」
・友達「嫁が浮気してるぞ」
手にしたスマホ画像を見せる友達。
・友達「これ千夏と山添じゃね?」
驚く奏介の顔。
○帰宅後の千夏の自宅。ぐったりとテーブルに突っ伏す千夏。
・千夏「マジで大変だったぁ・・。写真一枚でこれだもん。一緒に住んでるなんてバレたら大変な事になっちゃうよ・・」
・玲央「ごめんね、ちーちゃん・・。僕、こういうことになるなんて全然頭になくて・・」
落ち込み下を向く玲央。
・千夏「全然いいんだよ! 玲央君が悪いわけじゃないし!」
・千夏ママ「イケメンって大変なのねぇ」
・千夏パパ「どうしたもんか・・」
困り顔の父と母。しかし玲央の表情が晴れる事はない。しかしそこへ、ピンポンと家のチャイムが鳴り、「はーい」と返事をする母。
・千夏ママ「やだ! ちょっと千夏!」
呼ばれて顔を上げると、インターホンの前で苦笑いする母。画面には奏介の姿が映っている。
・千夏ママ「これ・・奏ちゃんよねぇ?」
母の言葉に汗をかく千夏、玲央、千夏パパの三人。
(4話おわり)
○鏡の前で服をチェックする千夏。どうしても緊張してしまう様子。
・千夏「どうしよう。変じゃないかな」
・千夏モノローグ(分かってるけど緊張してしまう。だって男の子と二人でお出かけなんて初めてなんだもん。しかも相手はあの学校一のイケメン・玲央君・・)
○昼間の街中を歩く二人。
・玲央「まずは何しようか。ちーちゃん何か見たいものある?」
私服怜央の輝きに目を細める千夏。
・千夏心の声(ブランド服(事務所支給)オシャ!スタイルオシャ! 顔オシャ! それに比べて私!)
・千夏「あ、特には・・玲央君の好きでいいよ」
・玲央「そう? じゃあ早速行きたいとこあるんだけど、いいかな」
身長180センチと149センチの30センチ差の二人。玲央には道行く人々の視線が集まり、隣で気後れして下を向く千夏。
・千夏心の声(妹にしか見られてないだろうな・・玲央君、私なんかと一緒に歩いてて恥ずかしくないだろうか・・)
気後れからつい離れて歩いてしまう千夏。
・玲央「なんで離れるの?」
・千夏「え? い、いや・・」
・玲央「ごめんね、僕歩くの早かったかな? ちゃんとエスコートしないとね」
千夏に手を差し出す玲央。
・玲央「お手をどうぞ。プリンセス」
・千夏心の声(王子感ハンパない!)
ドキドキする内心をなんとか抑え、それを断る千夏。
・千夏「そ、そんな・・玲央君また執事モード入ってるよ。そんなに気を使わなくて大丈夫。玲央君はウチの家族なんだからさ」
玲央の差し出した手を素通りする千夏。その背中を少し気落ちした様子で見つめる玲央。先を歩く千夏の顔はまだ赤い。
・千夏モノローグ(びっくりした・・いきなりあんな王子感だされても困るよ。相手が眞野さんみたいな美少女ならいざ知らず・・。プリンセス気取るにはスペックが足りなさ過ぎる!)
○カフェで購入したフラッペを手にする二人
・玲央「これ凄い美味しいよね」
・千夏「玲央君甘いもの好きなんだ」
・玲央「うん。撮影でだけど初めて飲んだとき感動した。・・でも定食食べれる値段だよね」
・千夏「そうだね・・」
苦笑いする千夏。
○街を散策する二人の風景。
イヤリングを見てかわいいと目を奪われる千夏に気がつく玲央。それを手に取る。
・玲央「これください」
・千夏「い、いいよ玲央君! 自分で買うから!」
・玲央「せっかくだし買わせてよ」
・千夏「でも玲央君の大切なお金が・・」
・玲央「僕の好きに使えって言ったのはちーちゃんだよ?」
笑顔を向けられてドキっとしてしまう千夏。
・玲央「誰かにプレゼント買うとかも、やってみたかったんだよね。初めて自分のお金でフラッペ飲んだ。初めて友達と街を散策した。初めて大事な人にプレゼントを買った。今日は付き合ってくれてありがとう。初めてがちーちゃんで良かった」
素直な玲央の言葉に胸を打たれる千夏。
・千夏「私も男の子にアクセサリー買って貰うのなんて初めてだ!」
玲央に満面の笑顔を返した千夏を見て、玲央の心に浮かんだのは奏介と歩く千夏の後姿。奏介の先を越した喜びで、玲央は突然「・・シャ!!」とガッツポーズを決める。いつも落ち着いている玲央の意外な反応に驚く千夏。
・千夏「なにそれ。そんなに嬉しい?」
ツボに入り笑う千夏。
・玲央「うん。ちーちゃんの初めて、めっちゃ嬉しい」
・千夏モノローグ(バカだな私・・。私と一緒で恥ずかしいかなとか変なこと考えちゃった。玲央君はそんなこと思う人じゃない)
笑い合う二人。しかしその二人の姿を、通りすがりの玲央のファンが見つける。
・ファンA「あれモデルのレオじゃね? 隣だれ?」
・ファンB 「妹じゃね。いいとこ中学生でしょあれ」
・ファンA「休日に妹と遊ぶレオ萌える」
ファンは隠し撮り写真をSNSへ投稿してしまう。
○日が暮れた夕方。帰りの電車を降りると千夏のスマホが鳴る。
・梓「もしもし、千夏? あんた今、山添と一緒にいる?」
・千夏「え? そうだけど・・」
・梓「あんたと山添が一緒のとこ、SNSに投稿されてるよ!」
頭が真っ白になる千夏。間を置いて「なんだってぇー!?」と驚愕する。
・梓「遠巻きだしほとんど顔は見えてないけど・・気づく人は気づくかもね」
・千夏「玲央君、どうしよう・・」
涙目になる千夏。
・千夏モノローグ(玲央君がすぐに事務所に連絡し、削除申請をしてくれたようで、その投稿は削除されたのだが・・当然、既に拡散されたものを見てしまった人もいる訳で・・)
○学校の教室。クラスメイトに囲まれる千夏。
・友達たち「どういう事!? これ絶対千夏だよね?」
友達にスマホを突きつけ詰め寄られる千夏。
・千夏「ぐ、偶然街で会って、少し話しただけだよ・・」
・友達A「ほんとに?」
・千夏「もちろん。山添君と私が休みの日に約束なんかするわけないじゃん」
・友達たち「まぁそりゃそうか」「あーびっくりした」
霧散する人だかり。その様子を、玲央が複雑そうな顔で見つめている。しかしほっと一息ついた千夏のところへ、「千夏・・呼んでるよ」と声がかかる。そこには愛らしい笑顔で手を振る別クラスの美少女・眞野杏奈らのグループの姿があり、千夏は顔を引き攣らせる。
・千夏(げ・・。要件は多分、玲央君とのことだよな)
呼び出される千夏の後を追おうと立ち上がりかけた玲央の机に、突然バンと手を叩きつけたのは梓だった。怒った顔で玲央を一瞥して去っていく梓。机の上には小さく畳まれたメモが置かれている。それを開くと、紙には「余計ややこしくなるから口だすな」と記載されている。
○杏奈たち女子グループにトイレ内で囲まれる千夏。さきほどとは打って変わって、不機嫌そうな表情の杏奈。
・杏奈「何これ? 何であんたみたいなのがレオと一緒にいるの? どういう事か説明してよ」
・千夏「で、ですから・・街でたまたま出会して少しだけお話したところを、タイミング悪く撮られてしまっただけでして・・」
・杏奈「本当でしょうね?」
・千夏「あ、当たり前ですよ。私みたいなのが山添君に相手にされる訳ないじゃないですか」
・杏奈「身の程弁えてるならまぁいいわ。二度とレオに馴れ馴れしくすんなよ、チビブス」
杏奈の暴言にショックを受ける千夏。しかしそこへバンという音が響く。見るとそこには、キレ顔でトイレの入口ドアを足下にする梓の姿が。
・梓「いい加減にしろよ、この性格ブス」
・杏奈の取り巻きA「こ、こいつ女バスの藤原・・」
怯む取り巻きを差し置いて、睨み合う梓と杏奈。
・杏奈「どけよゴリラ」
・梓「演技サボると男子に本性バレんぞ。二重人格」
バチバチの二人を見て「こっっわ!!」と震え上がる千夏と取り巻き達。
○奏介のクラスの教室。奏介の友達がスマホを手に声をあげる。
・奏介の友達「おーーい、奏介! たいへーん!」
呼ばれて歩みよる奏介。
・奏介「なんだよ」
・友達「嫁が浮気してるぞ」
手にしたスマホ画像を見せる友達。
・友達「これ千夏と山添じゃね?」
驚く奏介の顔。
○帰宅後の千夏の自宅。ぐったりとテーブルに突っ伏す千夏。
・千夏「マジで大変だったぁ・・。写真一枚でこれだもん。一緒に住んでるなんてバレたら大変な事になっちゃうよ・・」
・玲央「ごめんね、ちーちゃん・・。僕、こういうことになるなんて全然頭になくて・・」
落ち込み下を向く玲央。
・千夏「全然いいんだよ! 玲央君が悪いわけじゃないし!」
・千夏ママ「イケメンって大変なのねぇ」
・千夏パパ「どうしたもんか・・」
困り顔の父と母。しかし玲央の表情が晴れる事はない。しかしそこへ、ピンポンと家のチャイムが鳴り、「はーい」と返事をする母。
・千夏ママ「やだ! ちょっと千夏!」
呼ばれて顔を上げると、インターホンの前で苦笑いする母。画面には奏介の姿が映っている。
・千夏ママ「これ・・奏ちゃんよねぇ?」
母の言葉に汗をかく千夏、玲央、千夏パパの三人。
(4話おわり)