家賃滞納の保証にクラスのイケメンを預かりました
8話
○玲央のいる自宅を訪れた杏奈。天使モードの輝く笑顔を浮かべている。それを覗き見ている母。
・千夏母(誰かしらあの子。見た事ない顔ね。てゆうかなんかいけすかない感じの女ね・・さては玲央君狙いの女豹ね!?)
・玲央「眞野さん・・?」
・杏奈「こんにちは、玲央君。千夏ちゃん居るかな?」
・玲央「ちーちゃんなら今、友達と待ち合わせしてるって出かけて行ったけど・・」
・杏奈「え!? じゃあ入れ違っちゃった!? 迎えに行くって伝えたつもりだったのに!」
大袈裟に驚く杏奈。
・玲央「ああ、待ち合わせしてるって、眞野さんの事だったんだね。ついさっきだから、連絡すれば普通に落ち合えるんじゃないかな」
・杏奈「そうだね、ありがとう! あ、そうだ玲央君! 玲央君も一緒に行かない?」
玲央に映画のチケットを差し出す杏奈。
・杏奈「この映画に行く約束してたんだけど、実はもう一枚あるの。せっかくだし玲央君も一緒にどうかなぁ?」
・玲央「え・・いいの?」
・杏奈「もちろんだよ!千夏ちゃんもその方が喜ぶと思うし」
ニヤリとほくそ笑む杏奈。
○映画館。ドリンクコーナーに並ぶ爽介と千夏。
・爽介「お前何にする?」
・千夏「あ・・じゃあ、オレンジジュースにしようかな」
・爽介「コーラとオレンジ一つずつください」
・千夏「あ、払うよ」
・爽介「いーよ。この間のお詫び。それに今日は一応、デートだからな」
若干照れくさそうにそう言った爽介。それを見て余計に複雑な心境になる千夏。
・千夏(デート・・これってやっぱりデートなんだ。なんだろう・・この胸のモヤモヤは・・私はどうして、玲央君に「爽介とデートする」って言えなかったんだろう・・)
○同じ映画館で千夏を探す玲央と杏奈。
・杏奈「11時からの上映って話したから、ここに来るとおもうんだけど・・あ!!」
映画館で杏奈は爽介と一緒にいる千夏を見つけ、指さす。
・杏奈「え・・千夏ちゃんと・・爽介君!? ま、まさか千夏ちゃん、私との約束を破って爽介君と・・?」
大袈裟に青ざめ煽る杏奈。チラリと玲央を伺うと、玲央は二人で歩く千夏と爽介に釘付けとなっている。玲央の脳裏に蘇ったのは「女の子の友達たちと」と言った千夏。
・杏奈「ま、まさか千夏ちゃん、私が誘ったチケットを使って爽介君とデートするとか、そんな酷い事しないよね・・。また私が約束の日時とか、間違えちゃったのかな? デートの邪魔しちゃ悪いし、もう行こう、玲央君・・」
千夏が裏切ったとばかりに煽った杏奈。しかし玲央は思わず千夏のところへ走る。
・杏奈「玲央君!?」
突然腕を掴まれて、振り向く千夏。そこには息を切らして腕を捕えた玲央の姿が。驚きすぎて言葉を失う千夏。
・爽介「山添・・? なんでお前がここに・・」
焦って追いかけてくる杏奈。
・杏奈「玲央君! ダメだよ、二人のデートの邪魔しちゃ悪いよ! なんかごめんね、二人とも」
・千夏(眞野さん・・!? そうか、なるほど。最初から眞野さんの狙いは、私と爽介をデートさせて、それを玲央君に見せつけること・・。やっぱりこの子、サイコパスだわ。でも・・どうしよう。結果的にデートしてるのは本当だし、玲央君に「誤解だ」なんて言えないよね)
ぎゅっと鞄の紐を握りしめる千夏。
・杏奈「もう行こう、玲央君!」
グイと玲央を引っ張る杏奈。しかし玲央はそれを意に介さず、「ちーちゃん」と千夏に真剣な目を向ける。
・玲央「爽介君と二人きりで会わないで欲しい。僕にとっての一番はちーちゃんだから、僕もちーちゃんの一番になりたい」
突然の玲央からの告白に、頭が真っ白になる千夏。答えようとした矢先に、先に言葉を発したのは杏奈だった。
・杏奈「そんなこと言ったら千夏ちゃん困るよ!」
はっとする玲央と千夏。
・杏奈「千夏ちゃんは爽介君とデート中なんだから! そんな事言ったら気まずくなるに決まってるし、困らせるだけだよ。玲央君、そんなことも分からないの!?」
・玲央「・・そ、そうだね・・ごめん、僕つい・・」
・杏奈「もう行こう! ごめんね二人とも!」
杏奈に無理やり引っ張って行かれる玲央。追いかけようとしたところを、爽介に腕を掴まれる。
・爽介「俺たちも行こうぜ。もう上映始まるぞ」
・千夏「・・う、うん・・」
爽介に手を引かれながら、千夏は杏奈に手を引かれて去って行く玲央の後ろ姿に後ろ髪を引かれる。その後映画の最中も、動揺する千夏は全く内容が入ってこない。
・千夏(私はどうして・・ずっと好きだった筈の爽介とのデートなのに、朝からずっと罪悪感ばかり感じているんだろう。さっき私は・・爽介を放って玲央君を追いかけようとした・・?)
そんな千夏の様子を隣で見つめる爽介。映画が終わり、シアタールームから出る二人。
・爽介「この後どうする?」
・千夏「あ・・ごめん。今日はもう帰って・・」
・爽介「俺が今この場でお前に告白したら、今度は俺のこと考えてくれるのか?」
・千夏「え・・?」
驚いて顔をあげる千夏。そこには爽介の真剣な顔が待ち受けている。
・爽介「今隣にいるのは俺なのに、お前があいつの事考えてると思うと・・すげぇムカつくんだよ」
唖然とする千夏。壁に手を付き千夏に迫る爽介。
・爽介「お前が好きだ。千夏」
(8話終わり)
・千夏母(誰かしらあの子。見た事ない顔ね。てゆうかなんかいけすかない感じの女ね・・さては玲央君狙いの女豹ね!?)
・玲央「眞野さん・・?」
・杏奈「こんにちは、玲央君。千夏ちゃん居るかな?」
・玲央「ちーちゃんなら今、友達と待ち合わせしてるって出かけて行ったけど・・」
・杏奈「え!? じゃあ入れ違っちゃった!? 迎えに行くって伝えたつもりだったのに!」
大袈裟に驚く杏奈。
・玲央「ああ、待ち合わせしてるって、眞野さんの事だったんだね。ついさっきだから、連絡すれば普通に落ち合えるんじゃないかな」
・杏奈「そうだね、ありがとう! あ、そうだ玲央君! 玲央君も一緒に行かない?」
玲央に映画のチケットを差し出す杏奈。
・杏奈「この映画に行く約束してたんだけど、実はもう一枚あるの。せっかくだし玲央君も一緒にどうかなぁ?」
・玲央「え・・いいの?」
・杏奈「もちろんだよ!千夏ちゃんもその方が喜ぶと思うし」
ニヤリとほくそ笑む杏奈。
○映画館。ドリンクコーナーに並ぶ爽介と千夏。
・爽介「お前何にする?」
・千夏「あ・・じゃあ、オレンジジュースにしようかな」
・爽介「コーラとオレンジ一つずつください」
・千夏「あ、払うよ」
・爽介「いーよ。この間のお詫び。それに今日は一応、デートだからな」
若干照れくさそうにそう言った爽介。それを見て余計に複雑な心境になる千夏。
・千夏(デート・・これってやっぱりデートなんだ。なんだろう・・この胸のモヤモヤは・・私はどうして、玲央君に「爽介とデートする」って言えなかったんだろう・・)
○同じ映画館で千夏を探す玲央と杏奈。
・杏奈「11時からの上映って話したから、ここに来るとおもうんだけど・・あ!!」
映画館で杏奈は爽介と一緒にいる千夏を見つけ、指さす。
・杏奈「え・・千夏ちゃんと・・爽介君!? ま、まさか千夏ちゃん、私との約束を破って爽介君と・・?」
大袈裟に青ざめ煽る杏奈。チラリと玲央を伺うと、玲央は二人で歩く千夏と爽介に釘付けとなっている。玲央の脳裏に蘇ったのは「女の子の友達たちと」と言った千夏。
・杏奈「ま、まさか千夏ちゃん、私が誘ったチケットを使って爽介君とデートするとか、そんな酷い事しないよね・・。また私が約束の日時とか、間違えちゃったのかな? デートの邪魔しちゃ悪いし、もう行こう、玲央君・・」
千夏が裏切ったとばかりに煽った杏奈。しかし玲央は思わず千夏のところへ走る。
・杏奈「玲央君!?」
突然腕を掴まれて、振り向く千夏。そこには息を切らして腕を捕えた玲央の姿が。驚きすぎて言葉を失う千夏。
・爽介「山添・・? なんでお前がここに・・」
焦って追いかけてくる杏奈。
・杏奈「玲央君! ダメだよ、二人のデートの邪魔しちゃ悪いよ! なんかごめんね、二人とも」
・千夏(眞野さん・・!? そうか、なるほど。最初から眞野さんの狙いは、私と爽介をデートさせて、それを玲央君に見せつけること・・。やっぱりこの子、サイコパスだわ。でも・・どうしよう。結果的にデートしてるのは本当だし、玲央君に「誤解だ」なんて言えないよね)
ぎゅっと鞄の紐を握りしめる千夏。
・杏奈「もう行こう、玲央君!」
グイと玲央を引っ張る杏奈。しかし玲央はそれを意に介さず、「ちーちゃん」と千夏に真剣な目を向ける。
・玲央「爽介君と二人きりで会わないで欲しい。僕にとっての一番はちーちゃんだから、僕もちーちゃんの一番になりたい」
突然の玲央からの告白に、頭が真っ白になる千夏。答えようとした矢先に、先に言葉を発したのは杏奈だった。
・杏奈「そんなこと言ったら千夏ちゃん困るよ!」
はっとする玲央と千夏。
・杏奈「千夏ちゃんは爽介君とデート中なんだから! そんな事言ったら気まずくなるに決まってるし、困らせるだけだよ。玲央君、そんなことも分からないの!?」
・玲央「・・そ、そうだね・・ごめん、僕つい・・」
・杏奈「もう行こう! ごめんね二人とも!」
杏奈に無理やり引っ張って行かれる玲央。追いかけようとしたところを、爽介に腕を掴まれる。
・爽介「俺たちも行こうぜ。もう上映始まるぞ」
・千夏「・・う、うん・・」
爽介に手を引かれながら、千夏は杏奈に手を引かれて去って行く玲央の後ろ姿に後ろ髪を引かれる。その後映画の最中も、動揺する千夏は全く内容が入ってこない。
・千夏(私はどうして・・ずっと好きだった筈の爽介とのデートなのに、朝からずっと罪悪感ばかり感じているんだろう。さっき私は・・爽介を放って玲央君を追いかけようとした・・?)
そんな千夏の様子を隣で見つめる爽介。映画が終わり、シアタールームから出る二人。
・爽介「この後どうする?」
・千夏「あ・・ごめん。今日はもう帰って・・」
・爽介「俺が今この場でお前に告白したら、今度は俺のこと考えてくれるのか?」
・千夏「え・・?」
驚いて顔をあげる千夏。そこには爽介の真剣な顔が待ち受けている。
・爽介「今隣にいるのは俺なのに、お前があいつの事考えてると思うと・・すげぇムカつくんだよ」
唖然とする千夏。壁に手を付き千夏に迫る爽介。
・爽介「お前が好きだ。千夏」
(8話終わり)