大嫌いな王子様 ー前編ー
「なぁ、ちょっと歩かねぇ?」
「うん」
水族館から少し離れると、海沿いに広がる道が。
こんな所あったんだ。
夕方の涼しい潮風が心地いい。
「土曜日はごめん」
暁斗くんからのまさかの言葉。
「えっなんで暁斗くんが謝るの!?」
「いおに嫌な思いさせたよな。そばにいるって言ったのに結局いおのそばにいたのは和希だし」
そんなことないよ。
なにより謝るのは私だし。
「違うよ。私がほんとにごめんね。この数日も変な態度ばっかり…」
「いおが謝ることじゃない。父さんのことと言い、全然守れなかった…」
そんな顔しないで。
「周りにちゃんといおの存在を紹介したかった。父さんが今回は帰ってこないって何回も確認して…だから俺はあの日行ったのに…」
「暁斗くん」
暁斗くんの気持ち、すごく伝わったしあの日も誘ってもらったことはすごく嬉しかった。
「大丈夫だよ。私が勝手に悩んでただけ。やっぱり私なんか暁斗くんに釣り合わないよねって…隣にいたら暁斗くんに迷惑かけるだけだなって色々思っちゃって」
「なに言って…!」
「私は令嬢じゃなくて貧乏人の使用人だから…」
涙が溢れてきた。
暁おとの言葉がやっぱりすごく悔しい。
お金持ちがそんなに偉いの!?
「ごめ…泣くつもりなんかなくて…」
こんな姿見せたくなかったから、余計話せなかったのに。。
ぎゅっと抱きしめられたと思ったら、いきなりのキス。
「そんなこと思わせてごめん。釣り合うとかそんなのどうでもよくて、関係ないだろ。俺がいおに隣にいてほしいんだよ。そばにいてほしいんだよ」
私の目元に触れて、ゴシッと涙を拭く暁斗くん。
「お前は俺のそばにいるんだよ、これからも。絶対離れさせない」
ドクンッ
こんな時もやっぱり俺様。
なのに、ドキドキしてしまう。
「言ったよな?離れるなんて許さない」
もしかしたら、いやたぶん…
ものすごく俺様だし、ものすごく束縛も強め?なのかなと思う。
「俺のいる世界はあんなものなんだ。吐き気がするぐらいしょうもない。だけど、いおがいるなら頑張れるから」
それでも、こんな暁斗くんが好きなんだ。
「なぁ、そばにいれるよな?」
数分前に謝ってた人が言ってるセリフとは到底思えない。
もう慣れて驚きもないけど。
「考えます」
「あ?無理。今すぐ答えろ」
「じゃあ…条件があります」
「条件?なんだよ、とっとと言えよ」
私は暁斗くんのほっぺをむにっとつねった。
「暁斗くんの誕生日はいつ?好きな色は?好きな食べ物は?あ!身長っていくつ?それから…」
「なに言ってんのお前」
「次仕事はいつ休み?デートはどれぐらいの頻度がいい?今度行きたい所は?えっと…」
私の言葉は暁斗くんのキスでやっと止まった。
「可愛すぎるからこれ以上はストップ。じゃなきゃ襲うぞ」
暁斗くんが私の耳に触れる。
「ひゃっ!!ちょっと!外だから!!!」
「中ならいいんだ」
「違うっちゅーねん!」
最近、口でも関西弁が出るなぁ。
「で、条件って?質問に全部答えたらいいわけ?」
「あ…そうです///」
なんだか急に恥ずかしくなってきた。
グイッ
得意の顎クイだ。
「いいよ。朝まで俺の部屋でずっと答えてやるよ。寝かせねぇから覚悟しとけよ?」
そう言って意地悪な笑顔をする俺様野郎に、ドキドキトキメいてしまう自分が情けない。
結局、暁斗くんのペースだ。
「わっ私、これからも暁斗くんの彼女でいていいんだよね!?」
隣にいるってそういうことだよね!?
「当たり前だろ」
勇気出して言ったのに、あっさりの返答。
「俺のことに興味持つの遅すぎ」
あ、顔が赤い暁斗くん。
不安にならなくていいんだよね?
こうして聞いていいんだよね?
「ごめんね。暁斗くん、もしかして不安だった?」
「は?うるせー。どうでもいいんだよ、そんなこと」
みっちゃんの言う通り、天の邪鬼な暁斗くん。
「これからたくさん質問させてね」
「気が向いたら答えてやる」
さっきまでの不安は自然と消えて、ポカポカした心になった。
恋ってこんなに色んな気持ちになるんだね。
「帰るぞ。腹減った」
「うん」
手を繋いで帰るこの道が、もっと長く続けばいいのにって思ってしまうのはあなたが大好きだからだね。
「うん」
水族館から少し離れると、海沿いに広がる道が。
こんな所あったんだ。
夕方の涼しい潮風が心地いい。
「土曜日はごめん」
暁斗くんからのまさかの言葉。
「えっなんで暁斗くんが謝るの!?」
「いおに嫌な思いさせたよな。そばにいるって言ったのに結局いおのそばにいたのは和希だし」
そんなことないよ。
なにより謝るのは私だし。
「違うよ。私がほんとにごめんね。この数日も変な態度ばっかり…」
「いおが謝ることじゃない。父さんのことと言い、全然守れなかった…」
そんな顔しないで。
「周りにちゃんといおの存在を紹介したかった。父さんが今回は帰ってこないって何回も確認して…だから俺はあの日行ったのに…」
「暁斗くん」
暁斗くんの気持ち、すごく伝わったしあの日も誘ってもらったことはすごく嬉しかった。
「大丈夫だよ。私が勝手に悩んでただけ。やっぱり私なんか暁斗くんに釣り合わないよねって…隣にいたら暁斗くんに迷惑かけるだけだなって色々思っちゃって」
「なに言って…!」
「私は令嬢じゃなくて貧乏人の使用人だから…」
涙が溢れてきた。
暁おとの言葉がやっぱりすごく悔しい。
お金持ちがそんなに偉いの!?
「ごめ…泣くつもりなんかなくて…」
こんな姿見せたくなかったから、余計話せなかったのに。。
ぎゅっと抱きしめられたと思ったら、いきなりのキス。
「そんなこと思わせてごめん。釣り合うとかそんなのどうでもよくて、関係ないだろ。俺がいおに隣にいてほしいんだよ。そばにいてほしいんだよ」
私の目元に触れて、ゴシッと涙を拭く暁斗くん。
「お前は俺のそばにいるんだよ、これからも。絶対離れさせない」
ドクンッ
こんな時もやっぱり俺様。
なのに、ドキドキしてしまう。
「言ったよな?離れるなんて許さない」
もしかしたら、いやたぶん…
ものすごく俺様だし、ものすごく束縛も強め?なのかなと思う。
「俺のいる世界はあんなものなんだ。吐き気がするぐらいしょうもない。だけど、いおがいるなら頑張れるから」
それでも、こんな暁斗くんが好きなんだ。
「なぁ、そばにいれるよな?」
数分前に謝ってた人が言ってるセリフとは到底思えない。
もう慣れて驚きもないけど。
「考えます」
「あ?無理。今すぐ答えろ」
「じゃあ…条件があります」
「条件?なんだよ、とっとと言えよ」
私は暁斗くんのほっぺをむにっとつねった。
「暁斗くんの誕生日はいつ?好きな色は?好きな食べ物は?あ!身長っていくつ?それから…」
「なに言ってんのお前」
「次仕事はいつ休み?デートはどれぐらいの頻度がいい?今度行きたい所は?えっと…」
私の言葉は暁斗くんのキスでやっと止まった。
「可愛すぎるからこれ以上はストップ。じゃなきゃ襲うぞ」
暁斗くんが私の耳に触れる。
「ひゃっ!!ちょっと!外だから!!!」
「中ならいいんだ」
「違うっちゅーねん!」
最近、口でも関西弁が出るなぁ。
「で、条件って?質問に全部答えたらいいわけ?」
「あ…そうです///」
なんだか急に恥ずかしくなってきた。
グイッ
得意の顎クイだ。
「いいよ。朝まで俺の部屋でずっと答えてやるよ。寝かせねぇから覚悟しとけよ?」
そう言って意地悪な笑顔をする俺様野郎に、ドキドキトキメいてしまう自分が情けない。
結局、暁斗くんのペースだ。
「わっ私、これからも暁斗くんの彼女でいていいんだよね!?」
隣にいるってそういうことだよね!?
「当たり前だろ」
勇気出して言ったのに、あっさりの返答。
「俺のことに興味持つの遅すぎ」
あ、顔が赤い暁斗くん。
不安にならなくていいんだよね?
こうして聞いていいんだよね?
「ごめんね。暁斗くん、もしかして不安だった?」
「は?うるせー。どうでもいいんだよ、そんなこと」
みっちゃんの言う通り、天の邪鬼な暁斗くん。
「これからたくさん質問させてね」
「気が向いたら答えてやる」
さっきまでの不安は自然と消えて、ポカポカした心になった。
恋ってこんなに色んな気持ちになるんだね。
「帰るぞ。腹減った」
「うん」
手を繋いで帰るこの道が、もっと長く続けばいいのにって思ってしまうのはあなたが大好きだからだね。