大嫌いな王子様 ー前編ー
わ、私バレてないよね!?
かなりドキドキしながら後をつける。
もしかして…探偵の才能とかある!?
なんて、お得意の現実逃避もやってみる。
だいぶ距離を取りながら後をつけてるから、見失いそうで怖い。
とりあえず、歩いてる間は特に何もされてないな…
何か話してるのかな?
全然わからない。
しばらく歩いてたどり着いたのは、建物の地下にあるバーのようなお店。
なんだかちょっと怪しそうな所。
全員中に入っていったのを確認して、私もそっと地下への階段をおりる。
お店のドアが少し開いていた。
ラッキー!
声が聞こえる。
「なぁ和希。戻ってこいよ」
「…………」
柄の悪い人たちは5人いた。
その内の1人が和希くんに話してる。
「今なら受け入れてやるよ。俺らにどんだけ世話になったかわかってるよな?」
「ふ……あほらし」
やっと和希くんの声が聞こえた。
「俺ん家の金が目的なんだろ?金がない俺に用はないんじゃなかったっけ?」
何の話…?
「お前らが前に話してた内容なら知ってるから。何が受け入れてやるだよ。ふざけんな」
ガシッ!!
和希くんの両隣に人が来て、腕を掴まれてる。
「しょーもな。こんなことしな俺に勝てねーんだ?」
「お前にさ、“金”以外になんの意味があんの?クソガキだったお前を拾ってやったのに恩を仇で返されるってこういうことなんだなぁ」
喋ってた男が和希くんの頭を鷲掴みにした。
「言えよ。“ごめんなさい”って。“仲間に入れてください”って。お兄ちゃんに何も敵わない何も出来ない、金を積むことしか出来ないひとりぼっちのお坊っちゃん?」
ベッ!!!!
和希くんが唾を相手に吐きつけた。
「黙れ、このカスが」
嫌な予感。
「おーい、テメェら。和希坊っちゃんが“ぼくで遊んで”だってよ?なぁ、和希坊っちゃん?」
「…好きにしろよ。その代わり俺の周りの奴らには手を出す……」
バキッ!!
和希くんが喋っている時にいきなり殴られた。
「あーうるせー。黙って殴られてろや」
嫌…
目の前で和希くんが殴られてる。
怖い…怖いけど
だけど……
やだ、やだ
「いやー!!!!!」
ドンッ!!
「うっ……」
もう夢中だった。
和希くんを助けなきゃって。
背中に伝わる激痛。
気付けば体は勝手に動いてて、お店の中に入り和希くんに抱きつく形でしがみついた。
和希くんを殴ろうとしていた人の拳が、私の背中に直撃した。
「伊織!!」
目の前が痛みでチカチカする。
だけど、離れるわけにはいかない。
「あれー?この女、さっき和希といた奴じゃん」
「なになにー?健気に追いかけてきたわけ?可愛いじゃん」
「お嬢ちゃんは俺らと遊ぼっか」
両腕を引っ張られる。
「や…やめて…!!」
怖い、怖すぎる。
だけど、今絶対和希くんから離れるわけにはいかない。
離れちゃいけない。
「お前ら!!伊織に手出すな!!!」
バキッ!
和希くんが顔を殴られた。
「そんな大切な子なんだ?じゃあ、この子が俺たちと遊ぶ所ゆっくり見せてやるよ」
力いっぱい引っ張られて、腕もすごく痛い。
そして和希くんから離される。
「和希くんに手出さないで!やめて!!」
「伊織!!!」
なんだかもう、全身が痛い。
「じゃあお嬢ちゃんが俺らと遊んでくれる?」
私に馬乗りになるリーダー的な男。
涙が出てくる。
「リョージ!それ以上伊織に触れたらマジで殺すぞ!!」
「その状況でお前に何が出来んの?」
和希くんを助けたいのに…
「泣いてんじゃん、可愛い〜。怖くて泣いてんの?優しくしてやるから安心しろって」
コイツら、ほんとに最低……
「…違う。和希くんを守れない自分が情けなくて泣いてるの。あんたらに怯えてなんかじゃない」
「い…おり………」
ほんとは怖くて涙が出てるのもある。
だけど、和希くんを守れない自分が情けなさすぎて…。
それでも
こんな奴らに弱い所を見せたくなんかない。
「へぇ〜。じゃあ、ご遠慮なく♪」
両腕を掴まれてて抵抗出来ない。
リョージという奴が私のシャツのボタンに手をかけた。
「や、やめて!」
やだやだ、助けて…!!
かなりドキドキしながら後をつける。
もしかして…探偵の才能とかある!?
なんて、お得意の現実逃避もやってみる。
だいぶ距離を取りながら後をつけてるから、見失いそうで怖い。
とりあえず、歩いてる間は特に何もされてないな…
何か話してるのかな?
全然わからない。
しばらく歩いてたどり着いたのは、建物の地下にあるバーのようなお店。
なんだかちょっと怪しそうな所。
全員中に入っていったのを確認して、私もそっと地下への階段をおりる。
お店のドアが少し開いていた。
ラッキー!
声が聞こえる。
「なぁ和希。戻ってこいよ」
「…………」
柄の悪い人たちは5人いた。
その内の1人が和希くんに話してる。
「今なら受け入れてやるよ。俺らにどんだけ世話になったかわかってるよな?」
「ふ……あほらし」
やっと和希くんの声が聞こえた。
「俺ん家の金が目的なんだろ?金がない俺に用はないんじゃなかったっけ?」
何の話…?
「お前らが前に話してた内容なら知ってるから。何が受け入れてやるだよ。ふざけんな」
ガシッ!!
和希くんの両隣に人が来て、腕を掴まれてる。
「しょーもな。こんなことしな俺に勝てねーんだ?」
「お前にさ、“金”以外になんの意味があんの?クソガキだったお前を拾ってやったのに恩を仇で返されるってこういうことなんだなぁ」
喋ってた男が和希くんの頭を鷲掴みにした。
「言えよ。“ごめんなさい”って。“仲間に入れてください”って。お兄ちゃんに何も敵わない何も出来ない、金を積むことしか出来ないひとりぼっちのお坊っちゃん?」
ベッ!!!!
和希くんが唾を相手に吐きつけた。
「黙れ、このカスが」
嫌な予感。
「おーい、テメェら。和希坊っちゃんが“ぼくで遊んで”だってよ?なぁ、和希坊っちゃん?」
「…好きにしろよ。その代わり俺の周りの奴らには手を出す……」
バキッ!!
和希くんが喋っている時にいきなり殴られた。
「あーうるせー。黙って殴られてろや」
嫌…
目の前で和希くんが殴られてる。
怖い…怖いけど
だけど……
やだ、やだ
「いやー!!!!!」
ドンッ!!
「うっ……」
もう夢中だった。
和希くんを助けなきゃって。
背中に伝わる激痛。
気付けば体は勝手に動いてて、お店の中に入り和希くんに抱きつく形でしがみついた。
和希くんを殴ろうとしていた人の拳が、私の背中に直撃した。
「伊織!!」
目の前が痛みでチカチカする。
だけど、離れるわけにはいかない。
「あれー?この女、さっき和希といた奴じゃん」
「なになにー?健気に追いかけてきたわけ?可愛いじゃん」
「お嬢ちゃんは俺らと遊ぼっか」
両腕を引っ張られる。
「や…やめて…!!」
怖い、怖すぎる。
だけど、今絶対和希くんから離れるわけにはいかない。
離れちゃいけない。
「お前ら!!伊織に手出すな!!!」
バキッ!
和希くんが顔を殴られた。
「そんな大切な子なんだ?じゃあ、この子が俺たちと遊ぶ所ゆっくり見せてやるよ」
力いっぱい引っ張られて、腕もすごく痛い。
そして和希くんから離される。
「和希くんに手出さないで!やめて!!」
「伊織!!!」
なんだかもう、全身が痛い。
「じゃあお嬢ちゃんが俺らと遊んでくれる?」
私に馬乗りになるリーダー的な男。
涙が出てくる。
「リョージ!それ以上伊織に触れたらマジで殺すぞ!!」
「その状況でお前に何が出来んの?」
和希くんを助けたいのに…
「泣いてんじゃん、可愛い〜。怖くて泣いてんの?優しくしてやるから安心しろって」
コイツら、ほんとに最低……
「…違う。和希くんを守れない自分が情けなくて泣いてるの。あんたらに怯えてなんかじゃない」
「い…おり………」
ほんとは怖くて涙が出てるのもある。
だけど、和希くんを守れない自分が情けなさすぎて…。
それでも
こんな奴らに弱い所を見せたくなんかない。
「へぇ〜。じゃあ、ご遠慮なく♪」
両腕を掴まれてて抵抗出来ない。
リョージという奴が私のシャツのボタンに手をかけた。
「や、やめて!」
やだやだ、助けて…!!