大嫌いな王子様 ー前編ー
extra ep. 俺の片想い
お父さんが来た日の夜。
仕事を終わらせ、お風呂も入り部屋に帰ってきたのは23時頃。
今日のことお母さんたちに話したいけど、会って直接話したいな。
ちょうど明日のお昼は仕事ないし、家に行くからその時に話そう。
ちゃんと話せるように、話し方というか…考えておかなきゃ。
【夜、部屋行くから】
ボンッ!!
暁斗くんからのメッセージを思い出し、仕事部屋でのことを思い出す。
え!
てか、なんで部屋来るの!?
てか、ほんとに来るの!?
おしおきってなにされるの!?
ていうか………
こんなソワソワしてる私って変態なんじゃないかな!?
仮にも失踪していた父親に会えた日の娘の思考とは思えないよな。
そんな自分にげんなりする。
だけど、、、
気になるんだもん。
暁斗くんに会いたいんだもん。
急いでお風呂とかも済ませたんだもん。
ベッドに腰掛けて暁斗くんを待っていると、少しウトウトしてきた。
コンコンッ
反応ねぇ。
コンコンッ
やっぱ反応ねぇ。
ガチャッ
勝手に開けると、いおはベッドで寝てしまってた。
布団もかぶらず。
そりゃそうだよな。
数年ぶりに父親に会ったんだ。
気持ちも疲れるだろ。
「【弱ってる時につけこむ】のは違うなと思って」
和希に振り回されてる俺って……
寝ているいおの髪を撫でる。
「俺がこんなに好きなの、わかってんのか?」
わかってねぇよな、きっと。
「…ったく、なんで寝てんだよ」
俺はそっといおの頬にキスをする。
「う…」
やべっ起こしちゃったか!?
「キモ…野郎と悪魔…」
プチッ
なんちゅー寝言。
絶対俺のことだろ。
コイツ、どんな夢見てんだ。
それでも
夢に俺が出てきてることに喜んでる時点で、俺がすげー好きでハマってるってことだよな。
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「暁斗くん、おはようございます!昨日寝てしまってて…ごめんなさい!」
「別にいいよ。俺も寝てたし」
「そうなの!?それならよかったです…!」
たまには優しい嘘もつけるように…
「いーおり♪今日休みだよな?俺とデートしよ♡」
和希がいおの肩を抱いた。
「今日はお母さんたちの所に行くので無理だよ」
は?“今日は”??
今日じゃなくても無理だろ。
「ウザイ。いおはとっとと晴の所行く用意しろ。和希は勉強だ。しばくぞ」
まだまだ器が小さい俺、、