大嫌いな王子様 ー前編ー
キモ野郎…いや、暁斗くんの知らない部分が少しずつ見えてきた。
「実はですね、ここに伊織様が住まわれていることや伊織様のご家族がマンションに住まわれていることなど全て旦那様は知りません」
「え!そうなんですか!?」
大丈夫なの、それで。。
「旦那様に話しますと…きっと反対されると思います。お恥ずかしい話ですが、旦那様は家柄などをとても気にされるのです」
あー、家柄…
私なんて、柄すらないわ。
「傷つけてしまいましたら、大変申し訳ございません」
「いえ、そんなの何も気にしませんから」
「ありがとうございます。伊織様の、その太陽のように暖かなところが坊っちゃまの支えなんだと思うのです」
私が太陽…??
「お母様たちのお引越しを決められたのも、もし伊織様がこちらに住んでいることが早くに旦那様に知られた場合、必ずご家族の家柄など調べられます。もちろん、お住まいも。そのカモフラージュのため、坊っちゃまはお引越しをお母様と晴様にお願いをしました」
「なんで…そこまで……」
前からの疑問。
なんで、私にそこまでするのよ。
アイツはわかんないって言ってたけど、むっちゃ考えてくれてるじゃんか。。
「伊織様にそばにいて欲しいからだと思います」
坊っちゃまがお母様と晴様に、引越しを土下座までしてお願いしたことはさすがにまだ言えない。
私の口からお伝えすることではない。
「今度のダンスパーティーは、実は旦那様が審査に入られるのです」
ゴフッ!!!
「まだあっつ!!」
「伊織様!度々大丈夫ですか!?」
キモ野…いや、暁斗くんのお父さんが帰ってくるだと〜!?
年に数回がダンスパーティーの日に被り、しかも審査するとか意味わかんない!
「旦那様も優聖学園のご出身でして」
「は、はぁ…」
「坊っちゃまはきっと、旦那様に伊織様とここにいることを認めていただきたいのだと思います」
「だったらひと言相談でもしてくれたら…」
「あんな性格ですので」
「…プッ!飯田さんって面白いですね」
「そうでしょうか?」
暁斗くんを大切に想っているのがすごく伝わる。
「坊っちゃまはずっと寂しい思いをされてきましたので、伊織様と過ごす時間がとても大切だと思うのです」
「寂しい…?そうでしょうか?」
「え?」
「お父さんとはなかなか会えないし家族とは離れてるかもしれないけど、こうしてそばに飯田さんや牧さんたちがいてくれているじゃないですか。暁斗くんを見てると、飯田さんたちを信頼しているのがすごく伝わるので、寂しくなんかないと思いますよ」
出しゃばっちゃったかな!?
「な…なーんて、私なんかが偉そうにすみません…」
ああ、やっぱり坊っちゃまはすごい。
「やはり、あなたは太陽のような方ですね」
坊っちゃまにとって、いやこのお屋敷にとっての光を見落とさなかった。
「飯田さん、お願いがあります」
別に同情じゃない。
恩返しでもない。
これは飯田さんの意見だし、アイツの本心はアイツに聞かなきゃわからない。
だけど、こんな私にも出来ることは少しでもあると思うから。
「何なりとお申し付けください」
明後日のダンスレッスンに向けて、私が出来ることはー…。
「実はですね、ここに伊織様が住まわれていることや伊織様のご家族がマンションに住まわれていることなど全て旦那様は知りません」
「え!そうなんですか!?」
大丈夫なの、それで。。
「旦那様に話しますと…きっと反対されると思います。お恥ずかしい話ですが、旦那様は家柄などをとても気にされるのです」
あー、家柄…
私なんて、柄すらないわ。
「傷つけてしまいましたら、大変申し訳ございません」
「いえ、そんなの何も気にしませんから」
「ありがとうございます。伊織様の、その太陽のように暖かなところが坊っちゃまの支えなんだと思うのです」
私が太陽…??
「お母様たちのお引越しを決められたのも、もし伊織様がこちらに住んでいることが早くに旦那様に知られた場合、必ずご家族の家柄など調べられます。もちろん、お住まいも。そのカモフラージュのため、坊っちゃまはお引越しをお母様と晴様にお願いをしました」
「なんで…そこまで……」
前からの疑問。
なんで、私にそこまでするのよ。
アイツはわかんないって言ってたけど、むっちゃ考えてくれてるじゃんか。。
「伊織様にそばにいて欲しいからだと思います」
坊っちゃまがお母様と晴様に、引越しを土下座までしてお願いしたことはさすがにまだ言えない。
私の口からお伝えすることではない。
「今度のダンスパーティーは、実は旦那様が審査に入られるのです」
ゴフッ!!!
「まだあっつ!!」
「伊織様!度々大丈夫ですか!?」
キモ野…いや、暁斗くんのお父さんが帰ってくるだと〜!?
年に数回がダンスパーティーの日に被り、しかも審査するとか意味わかんない!
「旦那様も優聖学園のご出身でして」
「は、はぁ…」
「坊っちゃまはきっと、旦那様に伊織様とここにいることを認めていただきたいのだと思います」
「だったらひと言相談でもしてくれたら…」
「あんな性格ですので」
「…プッ!飯田さんって面白いですね」
「そうでしょうか?」
暁斗くんを大切に想っているのがすごく伝わる。
「坊っちゃまはずっと寂しい思いをされてきましたので、伊織様と過ごす時間がとても大切だと思うのです」
「寂しい…?そうでしょうか?」
「え?」
「お父さんとはなかなか会えないし家族とは離れてるかもしれないけど、こうしてそばに飯田さんや牧さんたちがいてくれているじゃないですか。暁斗くんを見てると、飯田さんたちを信頼しているのがすごく伝わるので、寂しくなんかないと思いますよ」
出しゃばっちゃったかな!?
「な…なーんて、私なんかが偉そうにすみません…」
ああ、やっぱり坊っちゃまはすごい。
「やはり、あなたは太陽のような方ですね」
坊っちゃまにとって、いやこのお屋敷にとっての光を見落とさなかった。
「飯田さん、お願いがあります」
別に同情じゃない。
恩返しでもない。
これは飯田さんの意見だし、アイツの本心はアイツに聞かなきゃわからない。
だけど、こんな私にも出来ることは少しでもあると思うから。
「何なりとお申し付けください」
明後日のダンスレッスンに向けて、私が出来ることはー…。