大嫌いな王子様
ガチャッ

暗いなぁー。
私、電気消していったっけ?


んー、そんな事は今いいや。

スマホ探さなきゃ…だけど。。。



ボフッ

私は薄暗い中を歩いて、眠気に耐えきれずベッドにダイブした。






「…は?」

なんでコイツがここにいんの?

俺がトイレから戻ると、阿部伊織がベッドで寝ていた。



「おい、起きろ!」

何度か声をかけるが全然起きない。



「お…かあさん」

寝言か?

声が聞こえて顔を見ると、すーっと涙が流れていた。



俺が泣かしてしまってるのか?




「う…キモやろ…ムカつく」


「は?」


キモ?ムカつく?

俺のことじゃないだろうな?



ったく…俺、寝れねーじゃねぇか。



———————————————————


「うっ…」

まっ眩しい。。。


「起きろ!いつまで寝てんだ!」


「はいー!!??」

眩しさと大声で一気に目が覚めた。



「あれ!?ここどこ!?」

いつもの景色じゃない。
あれ?お母さんたちは!?


「起きるの遅いし、いつまで寝ぼけてんだよ」


えっこの声は


ズイッ

目の前にキモ野郎のアップ。



「おわーっ!!!!」

キモ野郎だけど、顔はムカつくほど綺麗だから後退りしてしまう。


「うるさ…」

「なんで!?ここにいるの!?私の部屋ですよ!」

「は?ここは俺の部屋だよ。お前が昨日間違って入ってきたんだろ」


嘘!?


「そっそれは大変申し訳ないことを…」

「いいから早く部屋戻って着替えろ。遅刻すんぞ」


時計を見ると7:45!?

ヤバイ!!



「あ…あの」

「あ?」

「部屋が…わからないんです、迷路みたいで。教えていただけませんか?」


キモ野郎は少し固まってから

「あはは!!」

と大声で笑いだした。


「あー、お前まじ飽きねーな。飯田に案内させるよ」


また見れた笑顔。

見惚れちゃうぐらいの綺麗な可愛い笑顔が反則過ぎる。


喋るとキモ野郎だけど。


飯田さんに案内してもらい、私は急いで学校に行く支度をした。



「あの!!行ってきます!」

「乗れよ」

「何故でしょう?」

「乗らなきゃ遅刻だぞ」


脅されるがまま、黒い大きな車に乗った。

隣にはキモ野郎。



あれ…??
キモ野郎、制服着てる。。


「え!?」

「うっせーな。今度はなんだよ」

「制服着てるって…高校生なんですか!?」

「は?今更かよ」


絶対もっと歳上だと思ってた!!(態度がえげつない程偉そうだったから!!!)



「坊ちゃまは伊織様と同じ高校1年生ですよ」


飯田さんの言葉にフリーズしてしまう。


「・・・・えーーー!!??」

同い年!!??


「マジうるせー!降ろすぞ!」


キモ野郎、同い年だったー!?
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