お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

お見合い

 大安吉日の日曜日。地上三十九階のレストランで原田(はらだ)瑞希(みずき)は、お見合い相手の名刺をもらったままの姿勢で固まっていた。

 目の前にはオーダーメイドのスーツをスマートに着こなし、髪をビシッとセットしているイケメンが脚を組んで座っている。切れ長の目がクールに見えて、瑞希好みだ。が、見合い相手がかっこいいからといって喜んでいる場合ではない。


露口(つゆぐち)康弘(やすひろ)さん。露口製薬の社長……」

 相手の名前を口に出すだけで、冷や汗が噴き出してくる。瑞希は引き攣るように笑った。

(嘘でしょう! うちの会社の社長じゃないの!?)
< 1 / 118 >

この作品をシェア

pagetop