お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
(ここまであからさまなのに、どうして気づかないのだろうか。不思議だ)
「これは言葉にしなくても明確だろう。お弁当を作ってくれているんだから付き合えているじゃないか」
「どういう理屈ですか……。お弁当なら関係を持つ前から作ってくれていましたよ」
「だからそれこそが好意の証だろう。お前がハッキリしないと、相馬さんが勘違い女みたいになるじゃないか」
お弁当を広げてお茶の用意をしてくれる瑞希と知紗を見ながら、ヒソヒソ声で市岡に話しかける。が、察しが悪くて嫌になる。
康弘が溜息をついてソファーに腰掛けると、瑞希が可愛い顔で康弘の袖口を引っ張ってきた。その嬉しそうな表情が見られただけでも、四人で食事をと提案した甲斐があったものだ。
「四人で食事をしようだなんて珍しいですね……」
「すみません。市岡が相馬さんと付き合いたいと悩んでいまして……。後押しができたらなと思い、呼んだんです。瑞希は相馬さんから何か聞いていますか?」
「ええ。先日、知紗から告白して付き合いはじめたと……」
(やはりそうか……。そういえば酒の勢いでとか言っていたが、どうせ酒が弱い市岡のことだ。告白のくだりを覚えていないんだろう)
聞いている話と違うとおろおろしはじめた瑞希の手を握る。
「これは言葉にしなくても明確だろう。お弁当を作ってくれているんだから付き合えているじゃないか」
「どういう理屈ですか……。お弁当なら関係を持つ前から作ってくれていましたよ」
「だからそれこそが好意の証だろう。お前がハッキリしないと、相馬さんが勘違い女みたいになるじゃないか」
お弁当を広げてお茶の用意をしてくれる瑞希と知紗を見ながら、ヒソヒソ声で市岡に話しかける。が、察しが悪くて嫌になる。
康弘が溜息をついてソファーに腰掛けると、瑞希が可愛い顔で康弘の袖口を引っ張ってきた。その嬉しそうな表情が見られただけでも、四人で食事をと提案した甲斐があったものだ。
「四人で食事をしようだなんて珍しいですね……」
「すみません。市岡が相馬さんと付き合いたいと悩んでいまして……。後押しができたらなと思い、呼んだんです。瑞希は相馬さんから何か聞いていますか?」
「ええ。先日、知紗から告白して付き合いはじめたと……」
(やはりそうか……。そういえば酒の勢いでとか言っていたが、どうせ酒が弱い市岡のことだ。告白のくだりを覚えていないんだろう)
聞いている話と違うとおろおろしはじめた瑞希の手を握る。