お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
悪夢と噂の真相
「ん……ここどこ?」
ハッとすると、真っ暗闇な空間で一人佇んでいた。途端に怖くなって、きょろきょろと辺りを見回すが何もない。
(どうしよう。怖い……)
「原田さん」
「!」
泣きそうになった瞬間、露口の声が聞こえてきて縋るような思いで振り返る。すると、彼が柔らかく笑いながら立っていた。普段なら会いたくない相手だが、今は救世主に見えて瑞希の心がパァッと輝いた。
「社長! 良かった……急に変なところにいて、すごく怖かったんです。知っている人に会えて本当に良かった……」
露口に駆け寄り安堵の息をつくと、彼が瑞希の手を掴んだ。顔を上げて彼を見ると、先ほどの笑顔が消えて眉間に皺を深く刻んだ顔で瑞希を見ていた。
(社長?)
その表情に体が強張る。なぜ怒っているのか分からなくて当惑すると、露口が瑞希の腰を抱き、耳に顔を寄せてきた。
「しゃ、社長?」
「知っている人? ということは、君が俺と見合いをした原田ホールディングスのご令嬢だということを認めるんですね?」
「へ? ち、違います! 私はただの研究員です!」
「そうですか……。なら、貴方に用はありません」
そう言った露口が瑞希から体を離し踵を返す。
(そんな……本気? ここ、真っ暗闇なのよ)
こんなところに置いていかれたくなくてスタスタと歩きはじめた彼の手を慌てて掴んだ。
「社長! お願いします。行かないでください!」
「なら、決めてください。正直に打ち明けて俺と結婚するか、それともこのまま俺に嘘をつき続け、そのうちクビにされるか……」
「え……?」
「さあ、結婚かクビか選びなさい!」
(そ、そんな……!)
そんなの嫌と叫びそうになった瞬間、自分の足元が崩れた。大きな音を立てて体がベッドから落ちる衝撃に、瑞希はこわごわと目を開ける。
「あ、あれ夢?」
体を起こしてきょろきょろと見回すが、見慣れた部屋だった。良かったと安堵の息をつきベッドに入り直す。
(で、でも眠ったら、またあの夢を見たらどうしよう)
ハッとすると、真っ暗闇な空間で一人佇んでいた。途端に怖くなって、きょろきょろと辺りを見回すが何もない。
(どうしよう。怖い……)
「原田さん」
「!」
泣きそうになった瞬間、露口の声が聞こえてきて縋るような思いで振り返る。すると、彼が柔らかく笑いながら立っていた。普段なら会いたくない相手だが、今は救世主に見えて瑞希の心がパァッと輝いた。
「社長! 良かった……急に変なところにいて、すごく怖かったんです。知っている人に会えて本当に良かった……」
露口に駆け寄り安堵の息をつくと、彼が瑞希の手を掴んだ。顔を上げて彼を見ると、先ほどの笑顔が消えて眉間に皺を深く刻んだ顔で瑞希を見ていた。
(社長?)
その表情に体が強張る。なぜ怒っているのか分からなくて当惑すると、露口が瑞希の腰を抱き、耳に顔を寄せてきた。
「しゃ、社長?」
「知っている人? ということは、君が俺と見合いをした原田ホールディングスのご令嬢だということを認めるんですね?」
「へ? ち、違います! 私はただの研究員です!」
「そうですか……。なら、貴方に用はありません」
そう言った露口が瑞希から体を離し踵を返す。
(そんな……本気? ここ、真っ暗闇なのよ)
こんなところに置いていかれたくなくてスタスタと歩きはじめた彼の手を慌てて掴んだ。
「社長! お願いします。行かないでください!」
「なら、決めてください。正直に打ち明けて俺と結婚するか、それともこのまま俺に嘘をつき続け、そのうちクビにされるか……」
「え……?」
「さあ、結婚かクビか選びなさい!」
(そ、そんな……!)
そんなの嫌と叫びそうになった瞬間、自分の足元が崩れた。大きな音を立てて体がベッドから落ちる衝撃に、瑞希はこわごわと目を開ける。
「あ、あれ夢?」
体を起こしてきょろきょろと見回すが、見慣れた部屋だった。良かったと安堵の息をつきベッドに入り直す。
(で、でも眠ったら、またあの夢を見たらどうしよう)