お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
はかりごと
「ん……ここは?」
ハッとすると、また真っ暗闇な空間に一人佇んでいた。きょろきょろと辺りを見回すが、やはり何もない。
(やだ、また夢……?)
「原田さん」
頭をかかえたのと同時に露口が瑞希を呼ぶ。やっぱりと思い振り返ると、彼が優しげな表情で立っていた。おそるおそる近づくと、彼が瑞希の手を取る。
「社長……」
「社長ではなく康弘と呼んでください。俺も瑞希さんと呼ぶので」
「え? で、でも……」
「瑞希さん」
突然の甘い雰囲気に戸惑いを通り越して動揺がすごい。勝手に下の名前で呼びながら顔を近づけてくる彼の唇を両手で押さえた。
「きゅ、急に何するんですか?」
「何ってキスですよ」
「そ、そんなのセクハラですよ!」
顔を引き攣らせると、露口が指をパチンと鳴らした。その瞬間、真っ暗闇だった空間がラグジュアリーな部屋に変わる。
「は? 何?」
状況が飲み込めずきょろきょろと見回すと、自分と露口が薔薇の花びらを散らしたベッドの上にいることに気づく。途端、血の気が引いてくる。
「瑞希……。セクハラだなんて俺たちには不要な言葉だと思いませんか? 分からないなら今宵はここでゆっくりと教えて差し上げます」
「だ、駄目。駄目です。夢だからって、こんな不埒なこと許さないんだからっ!」
そう叫んだとき、またしても自分のいる場所が崩れて体が落ちた。
「…………やっぱり夢だった」
(で、でも夢だからって……夢だからって……)
瑞希は羞恥のあまり顔を押さえてごろごろと転がった。
ハッとすると、また真っ暗闇な空間に一人佇んでいた。きょろきょろと辺りを見回すが、やはり何もない。
(やだ、また夢……?)
「原田さん」
頭をかかえたのと同時に露口が瑞希を呼ぶ。やっぱりと思い振り返ると、彼が優しげな表情で立っていた。おそるおそる近づくと、彼が瑞希の手を取る。
「社長……」
「社長ではなく康弘と呼んでください。俺も瑞希さんと呼ぶので」
「え? で、でも……」
「瑞希さん」
突然の甘い雰囲気に戸惑いを通り越して動揺がすごい。勝手に下の名前で呼びながら顔を近づけてくる彼の唇を両手で押さえた。
「きゅ、急に何するんですか?」
「何ってキスですよ」
「そ、そんなのセクハラですよ!」
顔を引き攣らせると、露口が指をパチンと鳴らした。その瞬間、真っ暗闇だった空間がラグジュアリーな部屋に変わる。
「は? 何?」
状況が飲み込めずきょろきょろと見回すと、自分と露口が薔薇の花びらを散らしたベッドの上にいることに気づく。途端、血の気が引いてくる。
「瑞希……。セクハラだなんて俺たちには不要な言葉だと思いませんか? 分からないなら今宵はここでゆっくりと教えて差し上げます」
「だ、駄目。駄目です。夢だからって、こんな不埒なこと許さないんだからっ!」
そう叫んだとき、またしても自分のいる場所が崩れて体が落ちた。
「…………やっぱり夢だった」
(で、でも夢だからって……夢だからって……)
瑞希は羞恥のあまり顔を押さえてごろごろと転がった。